ビットコインのデルタニュートラル戦略のやり方!初心者向けにデメリットも解説

・ビットコインのデルタニュートラルという方法がローリスクで稼げると聞いた

・でも具体的な仕組みや、やり方がよく分からない

こういった状況の方を対象に記事を書いていきます。
この記事に書いてあること
・デルタニュートラルのメリットとデメリット

・何故、現状だとデルタニュートラルは勝ちやすいと言えるのか

・具体的にデルタニュートラル戦略を実行する手順

・デルタニュートラルをやるならBybitなどの海外取引所を使う必要がある

メアドとパスワードのみで口座開設可能!
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そもそもデルタニュートラル戦略とは?

仮想通貨におけるデルタニュートラル戦略(通称:デルニュー)とは、
ビットコインの激しい価格変動リスクを無視して、そこそこのリターンを稼ごうぜ!
という発想の戦略です。
「そこそこのリターン」とは大体年10〜30%くらいのイメージです。
具体的には、ビットコインの現物を保有した状態で、無期限先物とよばれる取引方式で同じ数量のビットコインをショート(空売り)します。

こうすると、ビットコインの価格変動による損失は原理的には発生しません。
何故なら、ビットコイン価格が上昇すれば空売り分は損しますが、同量のビットコインを現物で持っているので、こちらからは同じだけ利益が発生します。

この2つが相殺してプラスマイナスゼロになるという訳ですね。
ビットコインが値下がりした時も同じ理屈で損失が発生しません。

つまり、損益的には全く仮想通貨のポジションを保有していないのと同じ状態になる訳です。
お気づきの通り、これだと損しない代わりに絶対に利益も出ませんね。
こんなことをして何が嬉しいんだ?
感じる人も多いことでしょう。
こんなポジションを取る理由は、ロングポジションを持っている人から取引所経由で支払われるfunding rateという手数料収入にあります。
(感覚的には金利のようなものです。)

funding rate(資金調達率)とは?

funding rateは先物価格を現物価格と乖離させない為に存在します。

わかりやすく説明します。
これから説明するbybitなどの海外取引所では、基本的にビットコイン現物を送金しあって取引する訳ではありません。
そうではなくて、例えば「3ヶ月後にこの価格でビットコインを取引しましょう」という契約(先物契約)をトレーダー同士が行っています。
(実際には無期限契約なのでこの「3ヶ月後」という期限はありませんが、説明の為に省略しています。)

こういった先物取引は原理的には現物価格と同じである必然性が無いわけです。
1000円で売ってるものを、3ヶ月後に10万円で取引しようぜ!と約束するのも当事者同士の勝手です。

しかし、取引所サイドにとっては現物と先物価格が乖離すると困ります。
現物・先物価格乖離が取引所にもたらすリスク
・先物価格が予想困難になってトレーダーの意欲を削ぐ可能性がある
・先物取引の裏側の処理を行う時に取引所が損失を出す可能性がある
そこで先物価格が高騰している時には、ロングポジションの保有者からショートポジションの保有者に手数料を支払わせるようにします。
こうすることでロングポジションを持つインセンティブが少なくなり、先物価格が抑えられて現物に近づく訳ですね。
(先物価格が下がっている時はショーターからロンガーにお金が払われます)

これがfunding rate(資金調達率)です。
funding rateが0より大きい限りショーターは時間の経過に伴ってBTCを受け取ることができます。
すなわち、デルタニュートラル戦略で利益を狙えるということです。
そして、funding rateはその特性上、これまで正の値を取るケースが過半数でした。
そしてこのトレンドはこの記事執筆時点(2021年4月)では変わっていません。
後でfunding rateの過去データも掲載します。
以上の状況から「デルタニュートラル戦略は儲かる」と一部で騒がれているのですね。

ちなみに、デルタニュートラルをやる時に海外取引所を使うのも、このfunding rate(資金調達率)が理由です。
現状だと、国内取引所はfunding rateを導入しておらず、根本的にデルタニュートラルは実行不可能です。

資金調達率の具体的な計算方法(かなり複雑です)は、それぞれの海外取引所が公開しています。
例えばbybitの場合は以下のページで確認できます。

https://help.bybit.com/hc/ja/articles/360039261114

現状の方針だと、funding rateは最小で-0.375%、最大で0.375%までの値をとります。
(多くの取引所がbybitと同じ計算方式を採用しているようです。)
現物・先物価格差を縮めるその他の取り組み
昔のbitFlyerでは、実際にビットコイン先物が現物よりも大幅に高騰してしまったらしいです。
そこで現在はSFD(Swap For Difference)という現物・先物間の価格差を縮小させる仕組みが採用されています。
funding rateと導入目的が似ています。
補足
ちなみに、ここでの説明は主に仮想通貨界隈で流行しているデルタニュートラル戦略に焦点を当てたものです。
本来のデルタニュートラルヘッジは、オプションなどのデリバティブを組み合わせて利益を狙うヘッジファンド等が用いる手法です。

いつfunding rateの支払いが生じる?

Bybitでは 1日3回funding rateが支払われます。
日本時間の
・1時
・9時
・17時
です。
この時に、funding rateが正ならば、ショートポジションを持っている人がロングポジションを持ってる人から手数料を受け取ります。
funding rateが負の場合はこの関係が逆転します。
ちなみにbybitの場合、資金調達料(funding rate)はbitcoinで支払われます。

アルトコインでもデルタニュートラルは可能

ちなみに、アルトコインでもデルタニュートラルは可能です。
bybit の場合、ビットコイン以外にも以下の通貨を無期限先物を米ドル建てで取引できます。
Bybitでデルタニュートラルが可能なアルトコイン
・ETH
・EOS
・XRP
よってこれらの通貨を証拠金にし、レバレッジ1倍で空売り(ショートポジションを持つ)すれば同じことができます。(2021年4月現在)

デルタニュートラルのデメリット。どんなリスクがある?

・ビットコイン価格の変動自体は気にする必要がない
・ここまでの相場では実際に儲かってきた
というデルタニュートラルのメリットは分かりました。
次にデルタニュートラル戦略のデメリットを見ていきましょう。

投資の世界では基本的にリスクなく年10%以上のリターンを見込めるということはほとんどないです。
これはデルタニュートラル戦略も例外ではありません。
仮想通貨の価格変動リスクは受けずに済みますが、以下のようなデメリットやリスクがあります。

一攫千金は狙えない

まず、最初のデメリットです。
ここで説明したデルタニュートラル戦略では、一攫千金は無理です。
例えばbybitなどの大手取引所では、funding rateのmaxは計算上0.375%と決まっています。
極端な話、この状態が365日続いた場合ですら、得られるfunding rate収入は
0.375% × 3 × 365 = 4.11
つまり、ポジションの4.1倍程度です(funding rateは1日3回付与される)。

現実にはそんな状態が1年も続くわけがないので、だいたい年20%くらいを目指す手法くらいに考えておくと良いでしょう。

為替変動リスク

為替変動リスクもあります。
基本的にデルタニュートラル戦略が可能な海外取引所では、米ドル基準で全てが回っています。
先程、デルニューを行えば、仮想通貨のポジションが実質的にゼロになると言いましたが、それは米ドルに対しての話です。

もし米ドルが下落すれば(=円高になれば)その分は損失になります。
逆に円安になれば利益になります。

法定通貨(フィアット)の、それも米ドルのボラティリティは仮想通貨に比べればごく小さいのは確かです。
が、一応頭に入れておくといいでしょう。

証拠金不足リスク

ショートポジションを保有するデルニュー戦略では、米ドルなどの法定通貨に対して仮想通貨価格が暴騰すると見かけ上含み損になります。
(繰り返しになりますが、証拠金として購入した仮想通貨は値上がりしているので、実際は損していません。)

取引所のシステム上、長期的に資金調達率がマイナスになり続けた上で含み損が行き過ぎると反対売買されることになります(ロスカット)。
今回のデルタニュートラル戦略の場合は、レバレッジが1倍なので現実的にそれほどの事態が起きる可能性があるのかは微妙ではあります。

が、一応注意しておいてください。

funding rateの変動リスク

次にfunding rateの変動リスクです。
そもそも funding rateが正でなければデルタニュートラル戦略で利益を上げることはできません。

funding rateが負になってショートポジションを持っていると損をしてしまうリスクがあります。
現状のfunding rateの計算式では正の値をとることがかなり多かったのですが(後述)、これからデルタニュートラルに人が殺到する中で、 そもそもの計算式を変えられてしまう可能性も無いとは言い切れません。

なので、使用する取引所の公式のfunding rate関連のアナウンスには注視してください。

取引所閉鎖リスク

すべての仮想通貨取引に言えることですが、取引所が閉鎖してしまうリスクがあります。
どれだけ稼いでいようが、取引所が閉鎖したり何らかの理由で出金できなくなったりすれば何の意味もありません。
なのでできるだけ信用力のある取引所を選んで、このリスクを最小化すべきです。

デルタニュートラルのこれまで。儲かると言われる理由

2021年上旬現在だと、年利10%から30%が狙えそうな状況が続いています。

これは、ビットコインが急激に価格を上げていたことを背景に先物ロングポジションを取る人が多かったことが背景にあると思われます。

先物価格が現物より高ければ、それだけデルタニュートラル派が受け取るfunding rateも上昇することが期待されますからね。

実際にビットコインのデルタニュートラル戦略をやっていた人が、実際にどの程度勝っているかを調べるのは簡単です。
bybit公式からfunding rateのデータが取得できるので、その分布を見ればOKです。

ということで2020/4/1〜2021/4/1のbybitのfunding rateのデータの統計的な概要を以下にまとめました。
(元データは8時間毎に記録されたものです)
見ての通り、平均・中央値共に正です。
データをヒストグラムにしてみるとこんな感じになります。
明らかにfunding rateが正の方に偏っていることがわかります。
つまりそれだけ、デルタニュートラルをやってショートポジションを持っている人が儲けていたということです。

ちなみにヒストグラムを見るとfunding rateが0付近のとある正の数に集中していることにお気づきだと思います。
ざっくり言うと、これは現状BTC先物の価格が大きく現物と乖離しない限りfunding rateは0.0001(=0.01%)になるような計算式になっているからです。
つまり、ショーターに有利ということですね。
確かに今の相場だとローリスクで収益を狙える可能性が高い戦略ではありますが、この状況がいつまでも続く確証はありません。

今後、ビットコインの先行きが急激に悪化すると、逆にショートポジションを持っている人がずっと手数料払わなければいけない可能性もあります。

※ただしその場合でも仮想通貨の価格変動自体による損失は生じません。

デルタニュートラル戦略のやり方

ここまで色々とややこしい概念に触れてきましたが、実際にビットコインでデルタニュートラルを実行するのはとても簡単です。
デルニューで使う海外取引所は開設が非常に簡単なので、極端な話を言えば今から1時間以内にデルタニュートラル戦略を実行することすら可能です。
順を追って説明していきます。

Bybitで口座開設する

まずはデルタニュートラル戦略用の取引所の口座を開設します。

先述の通り、funding rateシステムが無いと駄目なので、日本の取引所ではデルタニュートラルが実行できません。
そこでBybit口座を使います。

他にも可能な海外取引所はあると思いますが、あまりマイナーな所を使うのはオススメしないです。
取引所の倒産リスクも怖いですしね。

そこで、ここでは大手のbybitを使った方法を解説していきます。
(bybitの場合、口座開設と入金でボーナスが貰えるので、これをデルニューの証拠金にするとさらにグッドです。)
バイビットの特徴
・シンガポール発の大手取引所
・世界130カ国以上でサービス展開
・日本語対応
バイビットの手数料
デルニューで使うインバース無期限では、手数料は以下の通りです(2021/4)。

テイカー手数料…… 0.075%
メイカー手数料…… -0.025%(逆にお金を貰える)

テイカー注文とは、板から流動性を奪う注文を指します(例えば成行き注文)。
メイカー注文は逆に板に流動性を与える注文(相場より高い価格で売り注文した場合など)のことです。

ちなみに国内大手のGMOコインではTakerは0.05%、Makerは-0.01%の取引手数料が発生します。
テイカー注文は国内取引所がお得で、メイカー注文ならBybitに優位性があります。
(そもそも国内取引所ではデルニューが不可能ですが、ご参考までに)
まずは以下のリンクからBybit口座を開設してください。
本人確認がやたらと面倒な日本の取引所とは違い、僕が自分でやった時はメールアドレスとパスワードだけで開設できました。

>>無料でbybitの口座を開設する

【ボーナスを確実に取得】Bybit(バイビット)の口座開設手順を徹底解説

2021年4月7日

仮想通貨を入金する

口座開設が完了したら、次は証拠金として使う仮想通貨を入金します。
(Bybitをはじめとする多くの海外取引所では日本円などの法定通貨ではなく仮想通貨を入金して取引します。)

別の取引所などで既にビットコインを持っている人は送金すれば OK です。

まだ仮想通貨を持っていない人は、bybitにログイン後、クレジットカードで仮想通貨を購入することもできます。

レバレッジ倍率を変更する

次にレバレッジ倍率を変更しましょう。

Bybitでは最大レバレッジが100倍(!)まで設定できますが、デルタニュートラルをやる分にはそんな大きなレバレッジは必要ありません。

まずインバース無期限(Inverse Perpetual)のBTCUSDの画面に行きます。
PC 画面の場合右上らへんにレバレッジを指定するところがあるので、レバレッジ1倍(1.00x)に変更します。

ショートを行う

レバレッジを変更したらその下の部分にある、ショートのボタンを押して空売りします。
やることはこれだけです。
後は放置すればOKです。

資金調達率(funding rate)が正の間、8時間毎にBTCが振り込まれていきます。

振り込まれた資金調達率の確認は、

個人メニューの「個人資産」⇒取引口座の「履歴」⇒「その他」

と進むと日毎の実現損益として確認可能です。

まとめ

最後にまとめです。
デルタニュートラル戦略では、ビットコイン価格から直接影響を受けずに利益を狙うことが出来ます。

通常の仮想通貨取引と比較するとローリスクですが、その分一攫千金が難しかったり、funding rateが負になったりするリスクがあります。

実践する時は、取引所閉鎖リスクを抑えるため、bybitなどの大手取引所での実行をおすすめします。

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3 件のコメント

  • FRのことがようやく理解できました。ありがとうございます。
    Bybitでショートするとき、BTC/USD, XRP/USDなど場合は入金した分すべてショートポジションで大丈夫ですか?
    一方USDT建ての場合はSpotで半分保有し、先物でもう半分ショートすればデルタニュートラルになるという認識で良いのでしょうか?

    • 基本的にその認識で大丈夫です。
      が、既に了解されているかもしれませんがUSDT建ての場合はUSDT自体にも実際には価格変動リスクが存在したりと、デルニューの不確定要素が増えるのでそこは注意するといいでしょう。

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