こんにちは。きむ公です。
2020年2月のマーケットは大荒れでした。
コロナ流行の懸念や、世界的な景気後退への懸念を受けて株価は急落しました。
NYダウが一週間で3500ドル以上下げると言う波乱の展開に驚いた人も多いのではないでしょうか。
さて僕は、YouTubeで一か月ごとにダウ銘柄のリターンのランキングを算出するという企画を行っています。
2020年2月のリターンは30銘柄すべてマイナスという凄惨な結果なのですが、データを集計してみて面白い事実に気付いたのでシェアします。
注意
今回の検証はあくまでも下落相場の途中経過を観察したもので、今後状況が逆転する可能性もあります。
また、高配当投資を行っている方を否定する意図はありません。
目次
【発見1】直前まで勢いのあった銘柄は下げ幅が小さい傾向にある
「成長株は平常時は上昇トレンドにあるけれど、下げる時にはとてつもなく下げる」というイメージがあると思います。しかし少なくとも今回のコロナショックでは、どちらかといえば成長株ほど下げが少ないようです。
次に示すのが、ダウ銘柄の中で1ヶ月間で最も下げが少なかった銘柄ベスト5です。
順位 | 銘柄名 | 下げ率 |
1 | ホームデポ(HD) | -4.5% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | -4.6% |
3 | スリーエム(MMM) | -5.1% |
4 | キャタピラー(CAT) | -5.4% |
5 | ウォルマート(WMT) | -5.9% |
またMicrosoftもクラウドを始めとしたほとんどの事業が成長していて、マーケットの期待を集める銘柄です。
個人的にはMicrosoftはコロナショックで値崩れしたイメージが強かったのですが、 実際にデータを取ってみると実はあまり下げていないという事実には我ながら驚かされました。
もちろんMicrosoftの場合はコロナショックで暴落が始まる前、2月の始めに大きく上昇していたという事情はあります。
ですが「グロース株は一旦暴落すると利確する人が多い分、下げ幅が大きい」という理論には疑問をはさむ余地があるかもしれません。
暴落の時に低価格で買いたいという人もまた多いのです。
参考までに、これら5銘柄の2020年2月の株価の動きをグラフにまとめておきます(2月1日の株価を1としています)。
【発見2】高配当は必ずしも株価下落のプロテクターにはならない
次に下落幅ワースト5を見ていきましょう。結論から言うと2020年2月に下落幅が大きかった銘柄は次の五つです。
順位(ワースト) | 銘柄名 | 下げ率 |
1 | エクソン・モービル(XOM) | -16% |
2 | アメリカン・エキスプレス(AXP) | -15% |
3 | ゴールドマン・サックス(GS) | -15% |
4 | ウォルト・ディズニー(DIS) | -15% |
5 | シスコ・システムズ(CSCO) | -13% |
下げ幅はなんと16%です。
しかも質が悪いことにエクソンモービルはコロナショックの前の月、つまり2020年1月にも11%下げています。
エクソンモービルは高配当銘柄として有名です。
「高配当銘柄は株価が下がれば配当利回りが上がり、大勢の買いが入るので下落は抑えられやすい」というロジックはあまりあてにならないのかもしれません。
ちなみに、シェブロンも11%下げています。
これは配当云々以前にエネルギーセクター自体が相当市場から悲観されていることの表れだと考えます。
ディズニーやアメックスは、コロナによる消費の落ち込みを直接的に食らう(と考えられている)企業ですから大きく下げるのも頷けます。
しかしゴールドマンサックスは一見コロナとはあまり関係がないようにも思えます。
こちらはむしろ、コロナショックが金利低下などの金融緩和を誘発することへの懸念による売りかもしれません。
しかし同じく金融セクターのJPモルガン・チェースよりも下げ幅が大きいのは、ゴールドマンサックスのここ数年の業績不振が原因だと考えます。
ゴールドマンサックスは投資銀行業務用や投資・貸付業務が最近低調でした。
低金利下でもローン事業の売上を伸ばしていた jp モルガンとはそこで明暗が分かれたのかもしれません。
いずれにせよ、現時点では業績が好調な銘柄はあまり売られにくく、コロナ以前から元々業績が低迷していた企業の方が容赦ない売りが入っているようです。
参考までに、下落率ワースト5の銘柄の値動きのグラフも貼っておきます。
まとめ〜ビジネスが伸びる企業は強い〜
今回の結果を見ると、すでに株価が低迷してるからもうこれ以上下げる余地はないだろう
先行きが暗いとなれば容赦なく叩き売られるのが株式マーケットなのです。
(もちろん、悲観的な予想をいい意味で裏切ることができた銘柄のリターンはとてつもなく大きくなります。)
下落相場であっても、やはり勢いがある銘柄は強いのかもしれません。
注意
今回の検証はあくまでも下落相場の途中経過を観察したもので、今後状況が逆転する可能性もあります。
また冒頭にも書きましたが、高配当投資を行っている方を否定する意図はありません。
なお、YouTubeでは月一でダウ銘柄の上昇率ランキングを発表し、大化け株を早い段階で発見しようという企画を行っています 。 今回の検証はあくまでも下落相場の途中経過を観察したもので、今後状況が逆転する可能性もあります。
また冒頭にも書きましたが、高配当投資を行っている方を否定する意図はありません。
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