3月16日のアメリカ市場は、NYダウの下落幅が約3000ドルという凄まじい状況になりました。
これほどのパニック相場では、優良銘柄でも容赦なく売られています。
ここで気になるのは、
こういった暴落相場でもなんとか耐えてくれる ETF は果たして存在するか
ということです。
もしそんなものがあれば、是非とも老後のお供にしたいものですね。
ということで、今回は
日本の投資家に人気の海外ETFの下げ率の比較
を行ってみました。
結論から言うと、
この暴落相場を堪えている ETF もあるが、下げているものは凄まじく下げている
という結果になりました。
目次
今回の検証に使う ETF 10種類
まず今回の検証に使用する ETF 10種類を紹介します。人気度や、ファンドを通じて投資する対象などを考慮してえらびました。
(※選定基準には独断と偏見が入っています)
選んだのはこの10本です。
下げの比較を行うETF10本
・QQQ 米国ハイテク株式・VTI 全米株式
・VT 全世界株式
・VOO S&P500指数
・VYM 高配当株三兄弟①
・SPYD 高配当株三兄弟②
・HDV 高配当株三兄弟③
・BND 米国の投資適格債
・VWO 新興国株式
・GLD ゴールド
相場暴落期間中のこれらの ETF の値動きを計測しました。
検証期間は NYダウ暴落が始まる2月21日から現在(3月16日)までです。
印象では、債権やゴールドの ETF は暴落には強そうに思います。
さて実際の結果はどうなったのでしょうか。
やはり債券は暴落に強い
結論から言うとこの相場で最も株価を保っていたのは、BNDでした。最近は株と債券が同じような動きをしているとしばしば言われていました。
が、蓋を開けてみればやはり債券は株に比べるとはるかに安全な資産と言えそうです。
下に10種類すべての価格の変動をグラフと表でまとめておきます。
BND | -0.96% |
GLD | -7.0% |
VWO | -27% |
HDV | -28% |
QQQ | -28% |
VYM | -28% |
VOO | -29% |
VTI | -30% |
VT | -30% |
SPYD | -39% |
GLDには直近少し怪しい動きもある
トータルでは2位ですがGLDが直近、かなり落ちてきているのは少し不気味です。ゴールドは元々その安定感に定評があります。
しかし株がこれだけ売られると、追加証拠金の差し入れなどで、とにかく手元資産の現金化を急ぐ投資家が増え始めているのでしょうか。
SPYDがあまりに売られすぎた理由
それにしても SPYD はぶっちぎりで株価を落としています。SPYD はS&P500の中の高配当銘柄に機械的に投資する ETF です。
それがここまで売られているのは一体どういう理由があるのでしょうか。
僕は、その理由は原油価格の急落だと思っています。
SPYD は高配当銘柄に投資する都合上、エクソンモービル(XOM)やオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)などのエネルギー銘柄も入っています。
これらの銘柄は、ここ最近の急激な原油下落に伴い急速に売られています。
OXYに至っては1日で50%以上下落することもありました。
原油価格の暴落についての背景は、こちらの記事を参照してください 。 (なお OXY は減配を発表したので、 今後 SPYD の組み入れ銘柄から除外される可能性もあります)
他にはSPYDには、金融銘柄もかなり入っていることが重荷になりました。
アメリカが急遽利下げを行いゼロ金利に突入したことで、金融セクターはとりわけひどい暴落に合っています。
まとめ〜リスク許容度の低い投資家は株式以外にも投資しよう〜
今回の調査から言えることは、 このような暴落で資産を一気に失いたくなければ債権やゴールドなどもポートフォリオに組み込んでおくべきだということです。中には、リスク許容度を超えて株を買いすぎていたために、資産をかなり失ってしまったという方もおられるのではないでしょうか。
(かくいう僕も流動資産は株式99%の投資家ですが笑)
年齢や収入などの条件に照らして、本当に株式100%のポートフォリオでいいのかということは日頃から考えておくべきでしょう。
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