この記事では米国のハイテクグロース株投資家が今熱い視線を注いでいるドキュサイン株(DOCU)を解説します。
記事のデータソースは公式 IR とマクロトレンズです。
目次
ドキュサインは何をしている会社?
ドキュサインという会社の名前を全く聞いたこともない人もいるでしょう。この会社が提供するのは電子署名サービスです。
要するに判子による捺印と言うめんどくさい作業をテクノロジーの力で手軽に行えるようにしようと言うことですね。
日本でも事業を展開していて、有名どころだと株式会社ドワンゴがドキュサインのサービスを導入しています。
ニコニコ超会議の出演クリエイターの署名をドキュサインで電子化したのを皮切りに、今では個人クリエイターとのやり取りは全て電子化されているとのことです。
署名を行う側はドキュサインでアカウント開設する必要もなく、スピーディーなサービス利用ができることが好評なようです。
ちなみにこのドキュサイン、ユナイテッド航空と入れ替わりにナスダック100指数に採用されています。
DOCUの株価推移と配当
さて肝心のドキュサインの株価ですが、 下の株価チャートの通り、コロナ禍を皮切りに急上昇しています。2,3月の市場全体の暴落による下げも非常に限定的でした。
電子署名というサービスの性質上、コロナはむしろ追い風だとマーケットが判断しているのでしょう。
2020年は7月中旬時点で年初来2倍以上に成長しました。
ちなみに配当は出していないので、配当利回りは0%です(2020年7月現在)。
ファンダメンタルズ
次にドキュサインのファンダメンタルズを見ていきましょう。売上・営業利益
まずは売上と営業利益です。売り上げは順調に成長していますが、まだまだ赤字を出し続けている状態です。
とはいえこの手の成長企業は、利益を犠牲にしてもとにかく事業を拡大することを主眼に置いているだけなので赤字は大きな問題ではありません。
そしてドキュサインの場合は、損失は買収分の償却やデータセンターの費用増加による部分が大きいので、なお問題は小さいです。
要は、会計上は赤字になっていても、事業拡大のために必要な M & A を行う資金は捻出可能だということです。
実際2018年にはspring CMを買収して成長スピードを加速させました。
売上に占めるサブスクの割合が多いこともポイントです。 ご存知の通りサブスクビジネスは非常に利益率が高いですから、このドキュサインも将来的にかなりの高収益体質に成長する可能性があります。
PSR
株価売上高倍率(PSR)を見てみましょう。 ドキュサインのPSRはここ最近大きく伸びて、30倍を突破しています。要するに投資家の期待がどんどん膨らんでいるということですね。
ドキュサインのビジネス自体は確かに有望なものですが、それに比例して投資するには高いお金を払わなければいけないことを認識すべきです。
EPS
ドキュサインが利益にこだわっていない以上EPSを見る重要性はそう高くありませんが、一応EPSも見ておきましょう。こんな感じです。
BPS
この手のハイテクグロース企業では、一株当たり純資産(BPS)も大して重要ではありません。しかし一応推移のグラフを載せておくので参考にしてください。
発行済株式数
発行済株式数の推移は以下の通りです。 増資を行ってどんどん事業を拡大しようとしていることがわかります。窮地に陥った企業が急場をしのぐ為に行う増資とは根本的に異なるので、マーケットもドキュサインの増資を批判的に見てはいません。
従業員数
事業の急速な拡大状況は、従業員数の増加を見ても明らかです。ここ数年毎年20%以上従業員数が増加しています。
コメント
ドキュサインは確かに期待できる銘柄ですがそれなりにリスクもあると思います。リスクとはもちろん、株価がすでに高いことです。
2019年までは PSRが12倍とかそんなもんだったわけですが、コロナを皮切りになんと30倍以上に上昇。
投資家の期待が一気に膨らんでいます。
こう言った株を見ると、誰でも Amazon 株のような成長曲線を夢に見てしまいます。
Amazon は PER 100倍以上の状態から数年で株価がさらに5倍に……という風に成長してきました。
しかしその陰では、いくつもの銘柄が見るも無残に散っていったことを忘れてはいけません。
高値掴みにはくれぐれも注意しましょう。
とはいえ、確かに面白いビジネスですし、日本人としては署名の電子化を応援したいと言う気持ちもあるので、個人的に一株くらい買ってみようかなとも思います。
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