【資産15倍!?】ドルコスト平均法がどれだけ凄いのか東大卒投資家が解説する【投資初心者の奥義】

こんにちは!きむ公です。 皆さんはドル・コスト平均法という投資法を聞いたことがあるでしょうか?
これは一定期間毎に定額を積み立てていく投資手法のことです。
例えば、毎年3月に必ず(その時の値段に関係なく)トヨタの会社の株を1000万円分買う、といった感じですね。
投資初心者
そんな思考停止な買い方して儲かるの?
と思われる方もいるでしょう。
実はこのドル・コスト平均法はかなり強力な投資手法として知られているんです。

僕は投資の運用益で生活し、現在5000万超の資産形成に成功していますが、
そんな僕自身も運用手法にドル・コスト平均法を取り入れています。

ドル・コスト平均法は機械的にどんどん買いをいれていく手法なので初心者にもおすすめです。
浅知恵で間違った取引をして失敗する危険性が低いですからね。
いやむしろ、ドルコスト平均法を使う場合は、変に考えないほうが上手くいくことすら多いです。

今回の記事を読むことで、投資初心者が絶対知っておくべき投資手法「ドルコスト平均法」のやり方がわかります。
また、記事の終わりに
ドルコスト平均法を使って長期投資をしていたらどれくらい儲かっていたか
というシミュレーションを盛り込みました。
ここは投資の中級者以上も楽しめると思います。

ドルコスト平均法とは


ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)は
ある銘柄を一定期間ごとに、一定金額ずつ積み立てる手法
のことです。 この時に注意するべきは、値動きは一切無視するという点です。
例えば、毎月初めに5万円積み立てると決めたとします。
この場合、どれだけ株価が上がっていようが下がっていようが、とにかく5万円分買うのです。
そしてこれをずーっと続けていきます。
投資初心者
何となくこの株下がる気がするから買いたくないなあ
と思っても、関係ありません。
ドルコスト平均法では、とにかく一定期間ごとに定額買い付けることが重要になってきます。

ドルコスト平均法が有効な理由

さて、初めてドルコスト平均法に触れる方には、なぜこんな買い方をするのかよくわからないでしょう。
ドルコスト平均法が強力な手法だと言われているのは、価格の上下動に強いからです。
具体的に説明しましょう。


今、あなたは株に投資するための予算を8000円もっているとします。

あなたは考えた末、Aという株を買うことを決めました。
さらに、予算を4分割してドルコスト平均法を使うとしたとします。
この設定の下で、Aという株の株価が次のように変動したとしましょう。
200円→100円→400円→200円
一回あたりの購入予算は8000÷4で2000円です。
つまりあなたは、
10株→20株→5株→10株
と購入していき、最終的に合計45株のA株を買えたことになります。
※通常日本株は100株単位の売買ですが、ここでは気にしないでくださいw

ここで不思議なことに気づきます。
今までの株価の平均は
(200+100+400+200)/4 = 225円
です。
しかし、あなたは8000円で45株買えたので、
1株あたり
8000/45 = 約178 円
で買えたことになっているのです。
つまり、いつのまにか株価の平均よりも安い値段でA株を買うことに成功しているのです。
いったい何故こんなことが起きたのでしょうか?
それは、購入株数を観察してみるとわかります。
価格が400円のときには5株しか買っていない一方、価格が100円のときにしっかり20株も買っていたからです。
要するに、株価が安いときには多く買い、高いときにはあまり買っていないのです。
おかげで、初めの株価も終わりの株価も同じ200円なのに、
45株×200円(最後の株価) – 8000円(初めの予算) = 1000円
も含み益がでていますね。
もし、初めの段階で予算をフルに使って購入していたら、利益はゼロでした。
このように、ただ機会的に買い付けていくだけで平均買い付け価格を安く抑えられる場合があるのです。

これこそがドルコスト平均法の威力です。

しかも、難しい投資判断も何もなくただ機械的に投資していくだけです。
これなら誰でもできますね。

ドルコスト平均法のデメリット

しかし勿論この世の中に万能な投資方法など存在しません。
もちろんこのドルコスト平均法にもデメリットがあります。
具体的に説明していきます。

つまらない

ドルコスト平均法はかなり退屈な手法です。
なにせ、何も考えずに買っていくだけですからねw
ただ、投資に楽しみを求めていない人にとってはこれはどうでも良い話かもしれません。

完全な下げトレンドでは利益をだせない

いつでもドルコスト平均法を使えば利益がでるというわけではありません。
株価がひたすら落ちていく相場では、ドルコスト平均法でも損が出ます。

そもそも、完全な右肩下がりの相場だと買いから入る取引ではリターンを上げることができません。
買値よりも売値の方が常に低いわけですから。
そういう完全下落相場では空売りを行うか、もしくはデリバティブを使うことでしか利益を上げることはできません。

補足
ちなみに、完全下落相場でドルコスト平均法を行った場合は利益は出ないものの平均購入単価が低くなることで傷が浅くなることも多いです。

完全な上昇トレンドでも利益を逃す

一方通行に株価が上昇する局面も、ドルコスト平均法が有効とは言い難いです。 確かにずっと株価が右肩あがりなら、ドルコスト平均法でも利益はでます。
しかし、そういった局面では、少しずつ買うよりも初めにドカンと買うほうが利益が出るのです。
ゆっくりと買い付けていくことで、得られるはずだった利益を逃してしまうというわけですね。

意外と心理的負荷が大きい

おそらくこれが最大のデメリットかもしれません。
ドルコスト平均法では、心理的負担が意外と大きいです。

その理由は、どんな場面でも買い続けなければいけないからです。
具体的には、暴落時です。
株価がどんどん下がっていき、全く底が見えない状況。
投資を続けていると、そんな状況に出くわします。

そういう状況でなおも、買い続けるのは相当な勇気が必要になります。
しかし、実はそういう時こそドルコスト平均法を使っている意味があるのです
ドルコスト平均法は、価格が安い時に多く買えることがメリットなので、まさに暴落時こそ真価を発揮するのです。

しかし、人間の感情とは中々制御が難しいものです。
三桁もしくは四桁万円の含み損が出れば、大概の人は嫌になるものです。

補足
例えば、僕自身も2018年末の暴落相場でドルコスト平均法を実行した時はかなりの精神力を要しました。
が、心を殺して機械的にドルコスト平均法を実行し続けました。
その勇気は、一年後の今ではお金になって返ってきています。
今になって思えば、あの時辞めなくて本当によかったですけどね。

暴落時はドルコスト平均法を続けるのはかなりの心理的抵抗感が生じるということを覚えておいてください。

もし日経平均をドルコスト平均法で積み立てていたらどうなった?

はい。
ここまででドルコスト平均法の概要が理解できっと思います。

では、ここからは実際のデータを見ながらドルコスト平均法の威力を感じてもらえればと思います。
何をするかというと、日経平均をドルコスト平均法で購入するシミュレーションを行います。

ただ、日経平均自体を買うことはできないので、

日経平均連動の投資信託をずっとドルコスト平均法で買い続けた

とでも思ってください。
(ちなみに、投資信託がわからない方はこちらの記事をどうぞ)

【保存版】投資信託とは何なのか?初心者に投資信託がオススメできる理由を分かりやすく解説する

2019年12月3日
購入間隔は約1ヶ月です(今回は23営業日ごとに買い付けました)。
1950年から2019年まで、日経平均をずっと定額購入するとどうなるでしょうか。
投資初心者
バブル崩壊を挟んでいるから大損する?
投資初心者
ずっと昔からやっていれば微妙に儲かるくらい?
いいえ、違います。
もし、1950年から2019年までずっとドルコスト平均法を続けていれば、メチャクチャ儲かっています。
具体的には、約一ヶ月ごとにずっと1円をドルコスト平均法で運用していれば2019年には11700円以上になっています。
もし同じ期間、毎月1円をタンスに貯金していった場合、750円程度にしかなりません。
約15倍です。
この期間ドルコスト平均法を行った場合の総資産は下図のように推移しました。
これに加え、実際の株には配当金があります。
実際に投資家が得るリターンはもっともっと大きいのです。
意外でしたか?

ドルコスト平均法はそれだけ最強なんだ、と言いたいところですがこれには多少のカラクリがあります。
実は1950年の日経平均は100円を割っているのです。
2019年現在の日経平均は23,000くらいですからかなりの差ですね。
(インフレ率も考慮しなければなりません。終戦直後の物価は今より大分低いです。)

ドルコスト平均法が凄いという以前に、単純に日本も大昔と比べると相当株価が上がっているというわけですね。このことからは、長期の株式投資の威力がわかります。
(ちなみに株式投資の基礎的な部分についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。)

【保存版】そもそも株とは何か?なぜ儲かるのか?~子供にもわかるように解説する

2019年12月2日
ついでに、アメリカの代表的な株価指数であるダウ工業平均株価についても同様の実験を行いました。

こちらも、約一ヶ月ごとに、一定額を買い付けます。
入手データの都合上、実験は2010年〜2019年の株価データを対象に行いました。

では、この期間にドルコスト平均法投資を行った場合と、ただ貯金を続けた場合の資産推移の比較を↓の図にまとめます。
こちらも相当儲かっています。
ドルコスト平均法で10年間積み立てていれば、
単純にタンスに同額をしまっておいた場合の1.5倍以上になっていますね。
もっともこの期間はリーマン・ショックからの回復期です。
この期間では別にドルコスト平均法を使わなくとも、多くの株式投資家がリターンを得ていることには注意が必要です。

それを差し引いても中々すごい結果ですけどねw

下落時のみに購入するとどうなるか?

ここまで、ドルコスト平均法の説明を聞いてこう思った人もいるかも知れません。
投資初心者
毎回積み立てるのでは無くて、相場が下がったときだけ買えばもっと利益が上がるのでは?
かくいう僕自身もこういう風によく考えていました。
ドルコスト平均法の強みは平均購入単価を下げられることです。 ならば、
機械的に買うのではなく、暴落したときのみ買いを入れれば良いのではないか?
というわけです。

結論からいうと、暴落時を狙って買おうとするとかえって利益を逃すことがあります。

ドルコスト平均法を改良するべく新たな方法を考案したとします。
例えば、次のような方法です。
おおまかな方針
  • 一定期間ごとに必ず投資を行うのは辞める
  • 代わりに次のルールに従って投資金を積み立てる
具体的なルール
ルール0:初めの予算は1円とする。
ルール1:今月の株価が、直近三ヶ月間の最高値よりも10%以上下がっていたら予算を全て使って購入する。
次回以降の予算は1円に戻す。
ルール2:その他の場合(つまり今月の株価が下落していなかった場合)は、何も買わない。その代わり、使わなかった1円を次回の購入予算に回す。
要するに株価が下がっている時にだけ一気に投資しようというわけです。

この方法なら平均購入単価もずっとさがりそうな気がします。
僕も、ドルコスト平均法よりも大きなリターンが出るだろうと予想していました。

しかし、現実は違いました。
この方法だと、ドルコスト平均法に負けてしまったのです。
下に、日経平均とダウ平均に対してこの方法を適用した時の資産総額の推移を貼ります。
確かに、この方法でも株を買わずにただ貯金だけするよりははるかに儲かっています。
しかし、ドルコスト平均法には綺麗に負けているのです。
これは日経平均バージョンの実験でも、ダウ平均バージョンの実験でも全く同じです。

なぜ、暴落時に買うことで購入単価を抑えているはずなのに、ドルコスト平均法に負けてしまったのでしょうか。
理由は、この方法だと株価の上昇時にあまり多くの株を持てていなかったことです。
つまり、暴落時以外は全く株を買わないというスタイルだと、ぼーっとしている間に株価が上がっていってしまうのです。
その結果、大きな機会損失が生じます。


少し知恵を働かせてより大きなリターンを求めたら、むしろ何も考えないほうが儲かったというのは皮肉な話ですね。(ただ、投資の世界ではこういうことはよく起きます笑)

いずれにせよ、ドルコスト平均法は強いです。

まとめ

今回は初心者でも実践できる代表的な手法であるドルコスト平均法についてみてきました。
簡単に内容をまとめておきましょう。
まとめ
  • ドルコスト平均法とは一定期間ごとに定額を積み立てる手法
  • ドルコスト平均法は上下する相場に強い
  • ドルコスト平均法の大きなデメリットとして、「心理的負担」がある
  • 代表的な株式指数をドルコスト平均法で長期間積み立てていたら、凄まじいリターンが得られた
  • 機械的に買うのを辞め、暴落時のみ買おうとするとかえって損することがある
ドルコスト平均法は僕自身も行っている手法です。
実際にやっていても思いますが、とにかく安定感が光ります。
これを機に投資を初めたいという方にもかなりオススメです。


ちなみに、今回僕はPythonというプログラミング言語のPandasというモジュールを使ってデータ処理を行いました。
Pandasはそう難しいものではない上に、一度習得するとこのレベルの分析はパパっと出来てしまうので非常におすすめです。
エクセルでの分析とは世界が変わりますよ笑

僕はPandasの使い方を『Pythonによるデータ分析入門』で勉強しました。
Pandasの開発者本人による解説で、とても内容が充実しています。



それではまた次回の記事でお会いしましょう。
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