【11年で25倍】ダウ銘柄で最も株価が上がったのは〇〇!11年分のデータを調査してみた【バフェットはすごかった】

米国株投資をやるなら必ず注視すべき指数に、ダウ工業株30種平均があります。
投資を知らない方でも。「ダウ平均」という言葉はニュースでもよく耳にすることでしょう。

ダウ工業平均株価は、現在25000ドルで取引されています。


などとアナウンサーが言っているのをよく聞きますね。 そういう意味では、もう一つの代表的なアメリカ株価指数であるS&P500よりもダウ平均の方が一般の人にも馴染み深いのではないかと思います(とはいえ、後ほど一から説明するので全くダウ平均を知らない人でも大丈夫です)。 このダウ平均に組み入れられている銘柄は、実はものすごく有名な企業たちなんです。
具体的にみてみましょう。
  • アップル
  • マイクロソフト
  • ゴールドマン・サックス
  • ウォルト・ディズニー
まだまだあります。
アメリカを代表する企業群というより、これはもう世界を代表する企業群といっても問題ないでしょう。
スラムダンクでいったら、山王高校みたいなものですね(わからなかったらすみませんw) 僕は資産運用益で生活していて、もちろん株もやっていますが中でもこのダウ銘柄が大好きです。
実はアメリカ株に投資する時は基本的にこのダウ銘柄から選んでいるほどです。

そんな僕が、過去のダウ銘柄の株価データをいじくり回していたところ、面白い事実に気付いたのでシェアします。

ずばり、ダウ銘柄のここ11年での株価の上昇率についてです。

一番上がった銘柄はなんと25倍もの上昇率を記録していました。
しかも、皆さんがよくご存じのあの銘柄です。

ダウ平均とは

まずはじめに、ダウ平均とは何かをみていきましょう。
ダウ平均とはS&Pダウ・ジョーンズインデックスが算出する、アメリカを代表する企業30社の平均株価のことです。
正式名称をDow Jones Industrial Averageといいます。
ダウ工業株30種平均と呼ばれることもあります。 ダウ平均は、ものすごく簡単に言うとアメリカの凄い企業30社の株価の平均値です。
日経平均が日本を代表する企業225社の平均株価なので、それのアメリカ版と考えると分かりやすいですね。

先程も少し触れましたが、ダウ銘柄にはとにかく物凄い優良企業が揃い踏みです。 仮に日本の企業が全てアメリカにあったとします。
そうしたら、このダウ平均に採用されるだけの実力を持つ企業ってどれくらいあるんでしょうかね。
下手したら一社も採用されなくてもおかしくは無いと思うのは僕だけでしょうかw

それくらいの凄い企業の集まりです。
しかも、ダウ銘柄はバンバン入れ替わります。
一度ダウ銘柄に採用された企業でも、業績が悪化したり時代遅れになったような企業はすぐに外されてしまうのです。
そのおかげで、2019年11月現在では、ダウ平均の算出開始時の銘柄は何一つ残っていません。
最近までしぶとく生き残っていたGE(ゼネラル・エレクトリック社)も2018年にとうとう入れ替えられました。 ちなみに工業株の平均という名前ですが、工業製品を取り扱っていない企業も多く採用されています。
ディズニーやP&Gなんかも入ってますからね。 具体的な全構成銘柄は以下の通りです。
銘柄一覧を表示
シンボル名前
AAPLアップル
AXPアメリカン・エキスプレス
BAボーイング
CATキャタピラー
CSCOシスコシステムズ
CVXシェブロン
DISウォルト・ディズニー・カンパニー
DOW ダウ
GSゴールドマンサックス
HDホームデポ
IBMアイビーエム
INTCインテル
JNJジョンソンエンドジョンソン
JPMJPモルガン・チェース
KOコカ・コーラ
MCDマクドナルド
MMMスリーエム
MRKメルク
MSFTマイクロソフト
NKEナイキ
PFEファイザー
PGP&G
TRVトラベラーズ
UNHユナイテッド・ヘルス
UTXユナイテッド・テクノロジーズ
Vビザ
VZベライゾン・コミュニケーションズ
WBAウォルグリーン・ブーツ・アライアンス
WMTウォルマート
XOMエクソン・モービル

この11年で一番株価が上がった銘柄はどれ?

さて、ダウ銘柄が凄い企業群だというのはわかりました。
提供するサービスややネームバリューには確かにもの凄いものがあります。
しかし、ダウ銘柄の株価はどんな動きをしているのでしょうか。
どの会社も規模がすでに大きすぎるため、あまり成長余地は残されていないようにも思えます。
さっそく検証してみましょう。 今回は、DOW(ダウ社)を除く29銘柄について約10年分の株価の変動を追跡しました。
なぜダウ社を除いたかというと、今回データ取得に使用したツールの不具合なのかデータが手に入らなかったからです(ダウ社の株価変動は別枠で考察することにします)。
ちなみにデータ取得方法はPythonライブラリのpandas-datareaderでyahooファイナンスのapiを利用しました
さて、さっそくダウ銘柄の株価の動きを見ていきたいところですが、まずはやることをはっきりさせましょう。
ルール
  • 2008年12月31日のダウ銘柄の株価に対して、2019年11月29日の株価が何倍になっているのか計測する
  • 途中の価格推移も可視化する
  • 株式分割の影響等は考慮に入れる(調整済み終値を用いる)
  • 配当金は無視する
シンプルですね。要は、
この11年くらいの間に、ダウ銘柄の株価は何倍になったの?
という疑問に答えていくということです。

調査結果【25倍に跳ね上がったダウ銘柄とは…?】

ひっぱってもしょうがないので、結論を言います。
結果の要約
  • ダウ銘柄のリターンは好調。ほとんどの銘柄が株価2倍以上にはなっている。
  • アップル株の伸びは凄まじく、なんと株価は25倍になった
  • ITセクターが好調だった。逆に日用品やヘルスケア関連はあまり勢いがない。
株価の伸びの倍率のランキングベスト5は次のようになります。
順位銘柄名倍率
1位アップル25.1
2位ビザ17.5
3位ホームデポ12.5
4位ユナイテッドヘルス12.3
5位ボーイング11.5
ランキングを全て表示
順位銘柄名倍率
1位アップル25.1
2位ビザ17.5
3位ホームデポ12.5
4位ユナイテッドヘルス12.3
5位ボーイング11.5
6位ナイキ10.7
7位マイクロソフト10.1
8位アメリカン・エキスプレス7.78
9位ウォルト・ディズニー7.71
10位インテル5.58
11位JPモルガン・チェース5.44
12位ダウ4.60
13位キャタピラー4.54
14位マクドナルド4.40
15位メルク4.25
16位トラベラーズ3.95
17位スリーエム3.95
18位コカ・コーラ3.70
19位ユナイテッド・テクノロジーズ3.60
20位シスコ・システムズ3.56
21位ファイザー3.31
22位ベライゾン・コミュニケーションズ3.24
23位ジョンソン・エンド・ジョンソン3.21
24位ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス3.08
25位ゴールドマン・サックス3.05
26位P&G2.79
27位ウォルマート2.77
28位シェブロン2.39
29位IBM2.23
30位エクソン・モービル1.21

ちなみに株価の倍率推移を可視化してみると、下のようになります。
※ダウ社は推移データが取れなかったのでこちらには入っていません。 それにしても、アップルが凄まじいですね。
ビザ、マイクロソフトやナイキも凄いです。

この辺は昔ながらの安定している企業というイメージがありますが、未だにこれほど投資家にリターンをもたらし続けているとは。
いやはや驚きですw

考察

やはりダウ銘柄は凄かった

まず、なんと言っても上がっている銘柄が多すぎます。
10年で2倍3倍は当たり前の世界です。
それも配当抜きでこれですから、その凄さがわかります。
11年前にアップル株を100万円分買って、配当も全て再投資していたらかなりの資産になっていたことでしょう(なにせ2500万円を超えますからね)。 もし、同じ調査を日経平均でやったとしたらこれほどの結果はでなかったでしょう。
というのも、2018年末のダウ平均は9000ドル程度、2019年11月末は28000ドル超です。そもそもダウ平均自体が3倍程度になっています。
一方日経平均はというと、同期間に約9000円から23000円程度に推移しています。
日経平均も思ったより頑張ってはいますが、やはりダウ平均には及びません。

バフェットはさすがの手腕

さらに、僕は今回の調査である事実に気づきました。
それはバフェットの凄さです。
ウォーレン・バフェットといえば資産860億ドル超の世界一の投資家です。
株をやっている人で知らない人はいないくらいの人物ですね。
投資の神と呼ばれることもあります。 ダウ銘柄の中では、アップルやアメリカン・エキスプレスをバフェットは好んで買っていました。あとはコカコーラも有名ですね。
アメックスやコカ・コーラをバフェットが買い始めたのはかなり前です。
が、ここ最近でもアメックスは5倍、コカコーラは3倍ですからかなりのリターンを産んでいることが分かります。
しかもアップルに至っては25倍の成長ですからねw バフェットといえば何となく割安株を拾うバリュー投資家のイメージがあります。
しかし、実際は成長性も高い銘柄を選んで投資していることがわかりますね。 さらにバフェットは失敗を認める潔さも持ち合わせています。
バフェットが見切りをつけたことで話題になった「永遠の不発弾」ことIBMは実際その後の株価も冴えません。
ここもさすがの慧眼といったところでしょうか。

セクターで見るとITが強い

セクター別で見ると、ITセクターが強いですね。
ITバブルは一度崩壊しましたが、今生き残っているIT銘柄は本当の実力者ということでしょうか。

まあ、それは後になってみないとわかりませんが、ここ十年の株価の動きを見る限りでは勝者はハイテクセクターですね。
アップル25倍、ビザ17倍です(たまに勘違いしている人がいますが、ビザは金融ではなくITセクターです)。 逆に、ヘルスケアやエネルギー、日用品などのセクターは調子が悪いですね。
これらは20世紀に高パフォーマンスだった銘柄群でもあります。
時代の変化を感じられます。

(ちなみに、20世紀の株のパフォーマンスについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。)

【保存版】20世紀後半に一番上昇した銘柄から学ぶ株式投資の極意【シーゲル教授の教え】

2019年12月11日

結果の解釈の注意点

今回の結果は少なからず衝撃的なものでした。
とはいえ今回の結果を鵜呑みにしすぎるのも危険です。
後述するように、おそらく相場全体の状況とも関係しています。
一概にこの結果だけを見て「古臭い銘柄を捨て、とにかくハイテク銘柄を買え」とはいかないと僕は思っています。

概ねずっと強気相場だった点は注意

今回の調査で最も注意すべきは、計測期間が基本的に強気相場だったという点です。しかも、リーマン・ショックからの復活という強い上昇気流があったことは認識しておくべきでしょう。 例えばヘルスケアセクターは、不景気に強いと言われています。
人間は景気に関係なく病気になりますからね。
そんなヘルスケアセクターの真価は、下落相場でも価格が落ちにくいことにあります。
日用品を生産しているP&Gなどにも同様の傾向があてはまりますね。 そう考えると、今回の調査は一部のセクターの銘柄に不利だった可能性が高いです。そのことは考慮にいれましょう。

配当を無視している点には注意

後もう一つ注意すべきことがあります。
今回の調査では、配当が考慮されていません。この違いは大きいです。
例えばXOM(エクソン・モービル)の株価は約10年でほとんど変わっていませんが、配当利回りは2019年11月現在5%ほどあります。
IBMにしても株価が冴えない代わりに配当は4%後半です(ちなみにこの2つはダウ銘柄の配当利回りツートップです)。 一方、ビザは株価こそ跳ね上がっているものの、配当利回りは0.6%台です。
得た配当を再投資にまわしていたら、リターンの差はそこそこ埋まるのではないでしょうか。ちなみにダウ銘柄の配当利回りワースト3はビザ・ナイキ・アップルです。 配当がトータルリターンに及ぼす影響の大きさは、かのジェレミー・シーゲル教授も名著『株式投資の未来』の中で指摘する通りです。
今回の調査結果は配当を無視している点にはくれぐれも注意しましょう。

まとめ

最後に今回の内容をまとめておきます。
まとめ
  • ダウ平均とは、アメリカの代表的な企業30社の株価の平均である
  • ほとんどのダウ銘柄はここ十年で株価数倍まで成長している
  • 中でも最もリターンを産んだのはアップルで、株価は25倍にもなった
以上です。 ちなみに、今回僕はPythonというプログラミング言語のPandasというモジュールを使ってデータ処理を行いました。
Pandasはそう難しいものではない上に、一度習得するとこのレベルの分析はパパっと出来てしまうので非常におすすめです。
エクセルでの分析とは世界が変わりますよ笑

ちなみに僕は『Pythonによるデータ分析入門』で勉強しました。
Pandasの開発者本人による解説で、とても内容が充実しています。

今後も株のデータから面白い事実を見つけたら共有しようと思います。
僕のtwitterをフォローしていただくと、情報共有が早いかもしれません。 ではまた次の記事でお会いしましょう。

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