はっきり言ってJETSは今まではマイナーもいいところの ETF でした。
が、有名ユーチューバーの高橋ダンさんに推薦されたことによって最近一気に注目が集まっているようです。
目次
JETSの株価推移と分配金
まずJETSのここ1年ほどの株価推移グラフが下記です。コロナショック時は、あれほど暴落していたJETSも気づけば大分復活してきました。この記事執筆時点(2021年4月3日)で年初来リターンは+20.87%です。
2020年は一時、50%以上暴落していましたが大分戻してきましたね。
当時の暴落の原因は言うまでもなくコロナウイルスによって航空業界全体が大打撃を受けていた(正確には、受けている)ことです。
かつてアメリカの航空会社は何度も経営破綻を経験してきました。
トランプ大統領も航空業界の支援を明言しているものの、何社か破綻するのではないかと言う懸念が湧き上がったのは仕方ないことです。
実際、米国外にも目を向けると、今回のコロナショックで破産する航空会社はすでに出てきていました。
例えば、イギリスの地方航空会社Flybe(フライビー)は2020年3月初めに破産を申請しました。
組み入れ銘柄のファンダメンタルズが大きく毀損する中で、分配金利回りは0%(無配)になってしまいました(2021年4月)。
参考までに、コロナショックをまたいだ株価チャート画像も掲載しておきます。
2020年の2,3月あたりは本当に凄まじい下げでした。
JETSの基本データ:構成銘柄と経費率
JETSはU.S. Global Investors, Inc.が運営するETFです。構成銘柄の上位10位は以下の通りです。
企業名 | ティッカー | 比率 |
ユナイテッド・エアラインズ | UAL | 10.07% |
デルタ航空 | DAL | 9.87% |
サウスウエスト航空 | LUV | 9.78% |
アメリカン航空 | AAL | 9.76% |
フィデリティ・ガバメント・PF | FIGX | 5.46% |
スカイウエスト | SKYW | 3.96% |
ジェット・ブルー・エアウェイズ | JBLU | 3.78% |
アレジアント・トラベル | ALGT | 3.72% |
エア・カナダ | AC | 3.70% |
アラスカ・エア・グループ | ALK | 3.67% |
航空大手4社だけで、全体の4割弱を占めています。
ETFとしては、それだけ分散効果が低いということでもあります。
なお経費率は0.6%です。
米国株投資家に人気の米国 ETF と比較すると、大体10倍くらい高いですね。
まぁマイナー ETF の経費率はこんなもんでしょうか。
JETSはハイリスク?
さて気になるのはJETSのリスクについてです。今JETSを購入するのは危険なのでしょうか。
はっきり言うと僕はこのETFのリスクは高めだと思います。
コロナによる航空業界への打撃は大きく、デルタ航空などは売り上げが9割減になりました。
加えて、格付け会社のフィッチは同社の格付けをジャンク級に下げました(参考)。
しかもこれでもフィッチはデルタは他の航空会社よりも信用力が強いとしています。
バフェットもデルタ航空を損切りしています。
今後、アメリカの主要航空会社のどこかは経営破綻するかもしれません。
完全にハイリスク・ハイリターンを狙う ETF だと言えます(とはいえ、航空会社の株を単体で買うよりはマシですが)。
参考)デルタ航空の銘柄分析記事
JETSは日本の証券会社では購入不可能?とりあえずこうすれば OK
JETSの最大の問題は、日本の主要な証券会社で取り扱いがないということです。外国株の取り扱いが多い、マネックス証券・ SBI 証券・楽天証券でも、JETSの購入は不可能です(2020年4月現在)。
現在、僕が把握しているJETSが購入可能な証券会社はサクソバンク証券またはIG証券のみです(ただしそれぞれ現物・CFDのみ可能)。
現状、JETSを購入するには海外の証券会社かサクソバンク or IG証券に口座を開設する必要があります。
では、これらの口座を開設するのが面倒な人は諦めるしかないのか、というとそうでもありません。
JETSが保有する銘柄を直接購入することで、ポートフォリオ全体として近い値動きを再現することができます。
先述した通り、 サウスウエスト航空(LUV)、アメリカン航空(AAL)、ユナイテッド・エアラインズ (UAL)、デルタ航空( DAL) の4社だけでだいたいJETS の40%を占めます。
この四つの会社に適当な割合で投資すれば、全体の値動きとしてはかなり近くなるはずです。
ちなみに組み入れ比率が低い銘柄にも投資すれば、さらに値動きは近くなります。
が、あんまりマイナーな銘柄は証券会社で取り扱いがない可能性が高いので詳細はご利用の証券会社に確認してください。
この方法は分散があまり効かなくなるというデメリットと引き換えに、経費率がタダというメリットがあります。
なお、単に航空株に投資してデカいリターンを狙いたいという人はJETSの値動きを忠実にトレースすることにこだわらずに、 航空会社に自分の好みの比率で分散投資するという戦略でもいいと思います。
ただし、いずれの場合でも今の航空株投資が非常に危険であることだけはくれぐれも肝に銘じておいてください。
実際、僕も投資していません。
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※内容はこの記事とほぼ同じです。動画で見たい人はこちらをどうぞ!
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