ラッキンコーヒーでの粉飾決済が話題になっています。
日本人投資家も多数投資していた注目銘柄ですが、米国時間4月2日、粉飾の発表を受けで株価は大幅に下落しました。
この記事では、初心者向けにこのニュースを解説します。
ポイント
・ラッキン・コーヒーは中国発のコーヒーショップで、スターバックスを脅かす存在として恐れられていた・ラッキンコーヒーで粉飾決算が発覚。3億ドル相当の売り上げが水増しされていた
・粉飾の発表を受けて株価は-80%にまで下落
目次
ラッキン・コーヒーとはどんな企業?
ラッキンコーヒーは中国初のコーヒーチェーンです。日本ではまだあまり馴染みのない人も多いかもしれません。
しかし中国では、とても認知度の高い企業です。
初出店の2018年1月からナスダックに登場するまで1年4ヶ月という異例のスピードは投資家に鮮烈な印象を与えました。
ちなみに2019年時点で店舗数は3000店舗を突破しています。
(参考までに、スタバが中国市場に参入してから3600店舗に達するまでに20年かかりました。)
ラッキンコーヒーのビジネスモデル
ラッキン・コーヒーの特徴はなんといっても通常のレジがないことです。コーヒーの注文はラッキンコーヒー専用のアプリから行います。
店舗に入るとまず目につくのは、このアプリをインストールするための QR コードです。
客はアプリ上で注文を済ませて、店舗で受け取れる他、デリバリーサービスを利用することもできます。
店舗受け取りを選択する場合でも、注文は店内で行う必要はありません。
自宅で注文を完了し、店舗に完成したコーヒーを受け取りに行くといったことも可能です。
客が店舗内で快適な時間を過ごすことを重視するスタバと対照的ですね。
店舗外でのサービスに特化するということは、広い店舗を必要としないことを意味します。
家賃や人件費を抑えて利益効率の良いビジネスを構築できるのではないかという期待も集まっていました。
ラッキンコーヒーに粉飾決算が発覚
ユニークなビジネスで注目を集めていたラッキンコーヒーですが、ここにきて衝撃的なニュースが飛び込んできました。2019年12月期決算で不正に売上高などが計上されていたと2日に会社が発表したのです。
同時に、費用・経費も不正にかさ増しされた疑惑も浮上しています。
以前から粉飾疑惑が持たれていたラッキンコーヒーですが、疑いは現実のものだと発覚しました。
売上・経費を大幅改ざん
改ざんされた可能性があるのは、売上高の実に約76%です。2019年第2四半期(4〜6月)から第4四半期(10〜12月)の、ラッキンコーヒーの売上高は29億元(約442億円)だと発表されていました。
しかしこの内、操作された可能性のある取引が約22億元(約335億円)相当にのぼるとのことです。
不正行為にはCOOのジアン・リュー氏も関与しているとされます。
(参考:https://www.fool.com/investing/2020/04/02/luckin-coffee-stock-plummets-after-report-of-infla.aspx)
粉飾決算を受けて株価は80%下落
発表を受けて株価はすぐさま反応しました。下のグラフがラッキンコーヒーの株価チャートです。
一時前日比約80%も株価が下落する異常事態となりました。
もともと、コロナショックで世界的に株式マーケットの地合いが悪かったところにこれほどネガティブが来たのですから同社の投資家が受けたダメージは甚大なものになりました。
ラッキンコーヒー粉飾事件に寄せる所感
僕も一人の投資家として粉飾決算は本当に許すことができません。投資家に損害を与えるだけでなくその企業への信頼を根本的に傷つけます。
また決算書を監査している監査法人の信用も傷つけます。
粉飾で得する人は誰もいません。
個人投資家レベルでは粉飾決算を事前に察知するのは実質的に不可能なケースがほとんどです。
企業決算に対する信頼が失われれば、投資行動をますます萎縮させかねません。
本当に許せませんね。
ちなみに、もし僕がラッキーコーヒー株のホルダーであればここで泣きながら損切りするでしょう。
コンプライアンスが腐っている企業は、このような不正が続々と明るみになってくるのがいつものパターンです。
「事故は買い。事件は売り。」と言いますが粉飾決算は典型的な「事件」です。
このような粉飾騒動は度々出てきますが、少しでも減っていくことを願うばかりです。
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