【銘柄分析と予想株価】マクドナルド(MCD)は強力に自社株買いを行う優良銘柄です

こんにちは。きむ公です。
今日は誰もが知る銘柄、マクドナルドの銘柄分析を行ってきたいと思います。

なお、今回分析するマクドナルドは日本マクドナルドではなく本家の米国企業のマクドナルドなので注意してください。

マクドナルド(MCD)は、ダウ銘柄の一つでもあります。
その特長はなんといっても強烈に自社株買いを行って株価を底上げしてくれることです。

この記事では、そんなマクドナルドのファンダメンタルズの分析と成長と株主還元がこのまま維持できた場合の将来予想株価を計算します。

なお、記事中のデータの出所はmacrotrendsです。

マクドナルドの株価と配当利回り

まず、これがマクドナルドの長期株価チャートです。
MCDの株価チャート
コロナショック前までは、かなり安定して株価上昇していたことがわかります。

面白いのはリーマンショック時でもさほど下げていないことです。

ご存知の通りマクドナルドは、非常にリーズナブルな価格で安定した美味しさの商品を提供することに特徴があります。

そんなマクドナルドはやはり不景気の時も客が離れにくいようです。
さすがにコロナで業績がほとんど傷まないハイテク製には劣りますが、コロナショックの底からぼちぼち株価も復活してきています。

なお、配当利回りは2.7%です(2020年7月上旬現在)。

マクドナルドの売上と利益

そしてこちらがマクドナルドの収益(revenue:ほとんど売上と同じ意味です)と営業利益の推移です。(単位は百万ドル)
マクドナルドの売上と営業利益
見ての通り、近年は2010年代中盤よりは売り上げが低下しています。

一方、営業利益はかなり高い水準にあり、経営が効率化していると評価できるでしょう。

多少利益率が上がってるとはいえ、この成績でこれほど株価が上昇しているのは不思議だなと感じる方もいるかもしれません。

その理由は最後までこの記事読んでいただけるとお分かりいただけると思います。

EPS推移

さてマクドナルドの EPS(一株当たり利益)の推移は次のようになっています(単位はドル)。
MCDのEPS推移
EPSは長期的に見ると比較的安定した伸びを見せています。

営業利益の変動と形としては重なりますが、EPSの方が力強い伸びを見せていますね。

BPS推移

さてここから不思議なことが起こり始めます。

マクドナルドの BPS(1株当たりの株式資本)の推移を見てみましょう。
なんと、近年ではBPSがマイナスです。
これは自社株買いを強力に推し進めた結果、貸借対照表上の株主資産が減少した帰結です。

PBR が1以上の状態で、自社株買いを推し進めるとこういう状態になることがあります。

マクドナルドの場合は借金してまで自社株買いをやってるような状態ですから、ついにはBPSがマイナスにまで達してしまったのです。

もちろんこれは、純粋に経営が悪化して株主資産が減少するのとは全く話が違います。

株主にとってはこれほどまでに富を還元してくれる優良企業と見ることができるでしょう。

ROE推移

BPSがマイナスになっていますから、マクドナルドの近年のROEもマイナスです。
ROEがマイナスになる直前、一瞬6を超えると言う異常な値を示していますが、これは当然BPSが減少しゼロに近づいた結果なので無視していいでしょう。

発行済株式数は自社株買いによりかなり減ってきている

さてこのように自社株買いに非常に積極的なマクドナルドですが、その甲斐あって発行済株式数は相当減少しています。 (単位は百万株)
なんとマクドナルドの発行済株式数は2005年から2019年の14年間で約40%も減少しているのです。

営業利益の伸び以上に EPS が力強い成長を示していたのはこれが原因だったのですね。

一般の株主から見ると自社株買いは EPS を増加させてくれるという点で設備投資と同じような効果を持ちます。
しかも配当と違い税金もかかりません。

マクドナルドのような巨大な企業だと、もうこれ以上顧客を開拓するのは無理があるのでしょう。

売上の限界も見えている中で、後は自社株買いにより株主に貢献していくようです。

この辺りの姿勢はさすがアメリカの企業といったところですね。

将来予想株価

さてここまでのデータからマクドナルドの10年後の予想株価を計算してみましょう。
マクドナルドはBPSがマイナスですからこの値を使うことはできません。

多少予測精度が不安定になりやすいというデメリットはありますが、 今回は安定的に成長しているEPSからマクドナルドの将来予想株価を算出してみましょう。

マクドナルドのEPSは2005年から2019年の14年間、平均10.1%成長していました。

この成長率が今後10年間維持できたと仮定します。
すると2029年の予想EPSは20.63ドルです。

一方、ここ5年間マクドナルドのPERは15倍から26倍くらいで推移しています。

10年後もマクドナルドがマーケットから同じくらいの成長期待をされている(PERの水準が変わらない)と仮定すると、10年後予想株価と今(2020/2)約210ドルで投資した場合の平均リターンは以下のようになります。

予想株価平均リターン
保守的な予想309.5ドル3.7%
楽観的な予想536.4ドル9.5%

意外とリターンが高くないですね。

もしかすると、現段階でマクドナルドはEPS成長の割には市場の期待が高すぎるのかもしれません。

まあ、事業としての成長はもう底が見えていますし、いくら自社株買いで安定的にEPSを増やせるといったところで、 株価の成長には限界があるのかもしれません。

なおこの想定はEPS成長と10年後のPERの範囲を仮定して行なったものです。

10年の間にリーマンショックのようなイレギュラーが起これば当然大きくずれます。

あくまで一投資家の意見として参考にとどめる程度にしておいてください。

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