コロナショックに端を発する世界的な株価大暴落が続いています。
3月18日はニューヨークダウがついに2万ドルを割り込みました。
日経平均も大きな下げを見せています。
これを書いている3月19日時点で日経平均株価は16552円です。
ついこの間まで24000円を超えていた事が嘘のようですね。
このように株が大暴落しているわけですが、
REITつまり不動産投資信託も負けず劣らず下げまくっています。
今回はREITが今買い時なのかどうかを考えてみたいと思います。
目次
REITは株以上に下がっている
ここ数年調子が良かった J REITですが、コロナショックの影響を免れることはできませんでした。2020年3月19日現在、東証 REIT 指数は 1145.53と直近高値から考えると約半分にまで下落しています。
日経平均株価が2割少しの下げてあるのに対して、REITの方がコロナによる影響を大きく受けていると言えます。
REIT を今買いたい理由
これだけ暴落しているREITは今チャンスなのでしょうか。ここ数年間、REITは右肩上がりで推移してきましたから、このような下落をずっと待っていたという人も多いはずです。
NAV倍率的には割安水準にいる
現在REITは約半値にまで下がってきています。この下げ幅は東日本大震災の時のマイナス30%やチャイナショック時の24%を既に上回っています。
(リーマンショックの時のマイナス60%にはまだ到達していません)
REIT の割高割安の判断の基準になるのはNAV倍率です。
NAV倍率は REITの時価総額と純資産総額の比率です。
株で言う PBR のようなものですね。
通常リートのNAV倍率は1前後で推移しています。
が、3月19日現在すべての J リートがNAV倍率1割れという異常事態に突入しています。
コロナの影響をもろに受けると思われるホテル系のリートなどはNAV倍率約0.3のものも見られます。
全体的に指標で見る限りはかなり割安だということができるでしょう。
金利上昇リスクはそう高くない
またコロナによって株価が暴落し、景気後退への懸念が色濃くなっていることは、REITにはプラスに働く部分もあります。それは金利の問題です。
今現在日本銀行は株価を安定させるべく直接株を購入したり大忙しです。
むしろ今はマイナス金利の深堀りを議論すべき状況であり、この状態では金利正常化への道はますます険しいものとなっています。
足元では、長期金利の上昇も見られました(暴落に巻き込まれた投資家が債券を現金化しようとし、債券価格が下落)。
しかし、やはり日銀はすぐさま1兆円規模の買いオペを実施し、金利の抑制に動いてきました(3/19)。
低金利が常態化すればREITにとっては低いコストで資金を調達できるというメリットがあります。
最も、景気刺激策として政府が財政出動で国債を乱発する場合は金利が上がるリスクがありますのでここには注意しましょう。
分配金利回りがかなり上昇してきた
リートの価格が下落するとそれだけ分配金利回りは上昇します。今現在比較的景気の影響を受けにくいと思われる住居主体のREITでも、配当利回り6%越えがゴロゴロしています。
リスクが高いと思われるホテル系のREITでは利回り10%超えのものも存在しています。
分配金が減少するリスクは高まっていますが、少なくとも現時点の数字としては満足感が高いものではないでしょうか。
REITを今買いたくない理由
株価の底が全く見えない
割安であっても短期的にはとことん売られるのが相場の世界です。今世界中に株式投資で損をした投資家が溢れかえっています。
信用取引で追加証拠金が必要になった投資家は保有する資産を片っ端から売却しなければなりません。
こういう事情により、REITもまだまだ売り込まれる可能性があります。
J REIT の場合は国内の保険会社が重要な買い手になってきました。
彼らも当然今回の暴落で大幅に損失を出しているはずですし、決算が近いこともあって今後さらにREITを放出する可能性もあります。
コロナショックの終着点が見えていない
もしコロナショックによる経済停滞が長引いたり、株価暴落で破綻する金融機関が出てきたりすると一気に金融危機が生じる可能性が高まってきます。そうなれば、リート法人の借入コストが増加する可能性があり J REIT の収益性も圧迫される懸念はぬぐえません。
僕自身、少なくともコロナが収束するまでは REIT に大きな買いを入れるつもりはありません。
以上が現在のREITを巡る僕の考察です。
まだまだリスクが高すぎる状況にありますが、現在の価格でもかなり魅力的です。
アセットアロケーションの観点からも、もう少し時間が経った時点での購入は前向きに検討しています。
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