【保存版】20世紀後半に一番上昇した銘柄から学ぶ株式投資の極意【シーゲル教授の教え】

どうも、きむ公です。

やはり、株式投資をやっていく上で一番知りたいのは「儲かる銘柄は何か?」ということですよね。
僕も例外ではなく、毎日5時間くらいこの答えを考えています笑 株価が跳ね上がる銘柄の特徴とは一体なんでしょうか。
時代や国を問わずに通用する、株価上昇の法則のようなものが果たして存在するのでしょうか。
そんなものがあれば、ぜひ知りたいというのが全てのトレーダーの望みです。 個別の値上がり銘柄を探すよりも、黙々とインデックスファンドに投資したほうが良いという投資家も大勢います(そしてその主張はかなり妥当なものです)。 しかし、今日はあえて大きなリターンを狙える銘柄の特徴についてまとめてみようと思います。
参考にするのは、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールで教鞭をとるジェレミー・シーゲル教授の研究です。
これは僕の投資人生を大きく変えた研究で、これを知ってから僕は個別株投資を始めました。

そして僕が購入した個別株は、2019年11月現在、インデックスファンドの倍以上のリターンを叩き出しています。おかげで僕の純資産も、不動産の利益と合わせ5000万円を突破しました。

今回はそんな、シーゲル流投資の核心的コンセプトを紹介します。

ジェレミー・シーゲルとは何者か

ジェレミー・シーゲルは、長期投資家の間では知らぬものはいないほど有名な人物です。
コロンビア大学卒業、MITで経済学博士を取得し、その後ペンシルバニア大学・ウォートンスクール教授に就任しています。
彼は名著『株式投資』(原題:Stocks for The Long Run,通称:緑本)と『株式投資の未来』(原題:The Future for Investors,通称:赤本)の著者として日本でもよく知られています。
この二つの研究には、共通点があります。
いずれも、過去の株式に関する膨大なデータの検証と、そこから導かれる意外な結論が特徴です。
中でも、
数十年単位の長期投資をしていれば、国や時代を問わずに株式投資家が損をすることは今までほぼ無かったという研究成果は非常にセンセーショナルです(ちなみに、この事実は僕が株式投資を行う一つの理由にもなっていますw)。 シーゲル教授の研究には、過去どんな銘柄を買えば大きなリターンが得られたのかという謎に対する値千金の情報がギッシリつまっています。
さっそく見ていきましょう。

成長している企業の株を買えば儲かるとは限らない

まず結論からいいます。
投資家に最高のリターンをもたらす銘柄は、単に利益をグングン伸ばす企業の株ではありません。
最高クラスのリターンをもたらしたのは、あまり投資家から期待されていなかったにも関わらず、利益を爆発的に伸ばした企業の株です。 「あまり投資家から期待されていなかった」という点がポイントです。 具体的に見ていきましょう。 シーゲル教授が説明に持ち出すのは、1950年のIBMエクソン・モービル(当時の社名はオイル・オブ・ニュージャージー)の話です。 IBMは皆さんご存知ですね。
IT関連の色々なサービスを提供している巨大グローバル企業です。
最近だと人工知能のワトソンなんかも話題になりましたね。 一方のエクソン・モービルは知らない人もいるかもしれません。
エクソン・モービルはアメリカのエネルギー関連企業で、超大手石油メジャーです。石油を始めとする各種エネルギーの探査や加工、販売も手がけています。こちらもIBMに勝るとも劣らない巨大企業です。 さて、シーゲル教授は問います。
もし、1950年にタイムスリップできたら、どちらの銘柄に投資するか?

と。 まあ、普通の感覚から言うとIBMを選択すると思います。
一体、1950年代からどれだけ世の中はIT化したでしょうか。
もはや現代社会の生活ではIT技術に触れない日はありません。
IBMの製品やサービスも身近に溢れています。
この半世紀でIBMはどれくらい利益を上げてきたのか想像もできません。 一方のエクソン・モービルはどうでしょうか。
まず、1950年当時でもエネルギー産業は特に目新しい分野ではありませんでした。 実際、企業の収益性を示す指標であるEPS(一株あたり収益率)の伸び率は、50年間IBMがエクソン・モービルを上回り続けています。
ますますIBM株の優位は揺るぎないように思えます。

しかし、実際には投資家に大きなリターンをもたらしたのは、エクソン・モービルなのです。
1950年から2003年に渡り、IBMは平均13.83%のリターンを投資家にもたらしています。
確かにこれでも十分なリターンであることは間違いありません。
しかし、エクソン・モービルの株を同じ期間持っていると、平均リターンは14.42%と、確かにIBMを上回っているのです。

平均リターンの比較
IBM13.83%
エクソン・モービル14.42%
爆発的成長を遂げたIT企業の株よりも、当時既に馴染み深い産業だったエネルギーセクターの銘柄を買ったほうが儲かったなんてなんとも不思議ですよね。

ここからその原因を考えていきましょう。

成長の罠~投資家の期待値を超えた銘柄が莫大なリターンをもたらす

エクソン・モービル株がIBMに買ったという事実は不思議です。
僕達は思わず
なぜエクソン・モービルなんかがIBMに勝てるの?
と感じてしまいます。

結論から言うと、当時も投資家達が「エクソン・モービルなんかが」という考えをもっていたからこそ、エクソン・モービルのリターンは高くなったのです。 1950年から2003年の期間において、この2つの銘柄のPER(平均株価収益率)は下のようになっています。
IBM26.76
エクソン・モービル12.97
PERって言われても何のことかよく分からないという人は、とりあえず
  • PERは投資家の期待度を反映する指標
  • PERが高いということは、企業が現在上げている利益の割に株価が高いということ
とだけ認識しておいてください。
要するに、
  • IBMは確かに高い成長を遂げた。
    しかし、昔の投資家はその結果を予想していたのでそもそも始めから株価に成長が織り込まれていた
  • 一方のエクソン・モービルは確かにIBMより成長はしなかった。
    しかし、それ以上にあまり投資家に期待されていなかったので、安い株価で買えた。
ということが原因となってエクソン・モービル株のリターンはIBMに勝利したのでした。
IBM株を買った投資家は、高値づかみをしてしまったということですね(それでも13%台後半のリターンをあげてはいますが)。 つまり、単に成長しそうな銘柄を探すだけでは足りないということです。
成長しそうなのにあまり期待されていない銘柄を探すことが重要になってくるというわけです。 成長銘柄ではあるものの、投資家の期待値が高すぎるような銘柄は危険です。
こういう銘柄を高値づかみをしてしまうことを、シーゲル教授は「成長の罠にはまる」と表現しています。
余談
考えてみれば、同様の視点は株式投資意外でも重要です。
僕の知人に競馬をやっている人がいます。
その人が昔こんなことを言っていました。

「レースに勝つ馬を予想するのはそこまで難しいことじゃない。儲かる馬を見つけるのが難しいんだ。」

いわゆる本命馬というのはオッズが低いです。
一番人気の馬に賭けて、その馬が無事に勝ったとしても儲けはしれています。
本当にドカンと儲かる時は大穴を的中させた時だということですね(まあ、それが難しいわけですがw)。

かくいう僕も成長の罠にはまった経験が何度もあります。

印象に残っているのは2018年末の相場です。
2018年の12月は世界的に株価が大暴落していました。
米中貿易戦争の先行き不安や米国利上げ、そして世界的不景気への懸念が理由です。

そんな中、僕はずっと目をつけていた銘柄であるビザと、特に値崩れが激しかったアップルを購入しました。クレカ決済でおなじみのビザは米国株投資家の間では有名な銘柄で、その利益率の高さが驚異的です。 一方のアップルは、将来を悲観する声も大きかったです。
収益の柱であるiPhoneの普及台数の伸びには限界が見えはじめていました。
その上、部品生産の工程で中国に大きく依存しているため、米中貿易戦争の影響は特に大きいと見られていました。
そういう理由で、アップルは当時の暴落相場の中でも目立って下落した銘柄でした。 僕は直近150ドル程度の価格をつけていたビザが138ドルまで下落したところで購入しました。
そして、当時余った端数の金でアップルを158ドルで購入しました。 そしてこれを書いている今、ビザが179ドル、アップルが261ドルなので、リターンは
ビザ約30%
アップル約65%
となっています。
どっちも儲かっているのだから、良いじゃないかという声も聞こえてきそうです。しかし、僕としては非常に悔しい結果になりました。
なぜならアップル購入に充てた資金は日本円でたったの3万円程度なのですから。つまりたったの2万円弱の含み益です。
今考えると、アップルは当時あまりに将来を悲観されすぎていました。

この一件は、投資家の期待値を現実とのギャップを見極める必要があるという良い教訓になりました。

20世紀に最高のリターンを上げた銘柄は意外にも……

さて、シーゲル教授は「成長の罠」に関する興味深い事実を他にも僕達に教えてくれています。
20世紀後半、S&P500銘柄の中で最高のリターンを上げた銘柄は何なのか、ということです。
S&P500が何かわからないよ
という人は、ここでは一旦、米国の主要な上場企業500社という意味だと考えておくといいでしょう。 実は、20世紀後半に最高のリターンを上げたのは意外にもフィリップモリスでした。
フィリップモリスはニューヨークの世界最大のタバコメーカーです。
マルボロを作っている会社として有名ですね。 このフィリップモリスが最高のリターンを投資家にもたらしたというのも、かなり意外な感じがします。 当時からフィリップモリス株はリスクの塊でした。
タバコメーカーの宿命というべきか、健康被害に関する訴訟を何件も抱えていて、実際様々な賠償金を支払ってきました。
もちろん当時の投資家からも先行きを不安視されていました。
企業活動に法規制が入る恐れもあったことでしょう。 しかし、マルボロが爆発的に売れたことによるブランドの確立などが後押しして、実際には高い収益性を発揮しました。
タバコという商品はそれ自体に中毒性があるので、一旦ファンを獲得すると強いですね。 そして、投資家の低い期待と実際の高い収益性のギャップが、フィリップモリスの株主に莫大なリターンをもたらしたとシーゲル教授は分析しています。 実際、同社の1957年から2003年までの年率リターンは19.75%というとんでもない数字を叩き出しています。
世界最高の投資家といわれるウォーレン・バフェットの平均リターンが20%前後であることを考慮すると、この凄さがわかるでしょう。 投資家の期待を大きく超えてくる銘柄を見つけることが、いかに大事かわかる例ですね。

まとめ

今回は、長期投資家の間では知らない人のいないシーゲル教授の教えについて見てきました。
中でもとりわけ大事なのは、
単に成長する企業ではなく、投資家の期待を大きく上回る程の成長企業の株を探せ

という主張です。 我々も「成長の罠」にはまらずに、90年代後半のエクソン・モービルやフィリップモリスのような銘柄を探しあてたいものですね。 実は今回の記事では、紙幅の関係で触れることのできなかったシーゲル流投資のエッセンスはまだまだ数多く存在します。
長期投資におけるリターンと配当の関係性や、「成長の罠」と投資地域の関係(先進国に投資するか、途上国に投資するかetc)など、シーゲル教授の非常に重要な考察がまだまだあります。 気になる人は、冒頭でも紹介したシーゲル教授の著書で実際に確認してみてください。 結構分厚い本ですが、それだけ内容がつまってます。
僕はこの本を、家族や友人にもオススメしています。 下にリンクをおいておくので一冊どうぞ(ちなみに、どっちも読む時間がないという方は、『株式投資の未来』を選ぶことをオススメします。今回の記事の内容に近いのもこっちです)。
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