株式投資はあくまでも運ゲーにすぎないという人がいます。
日々株のことを研究している株オタクにとってはこの発言は許し難いでしょう。
が、僕としては結構賛成する部分もあったりします。
今回の記事では、株の運ゲー的側面について考えます。
目次
最強の投資手法と、弱すぎる投資手法
まずは次の二つのグラフを見てください。それぞれある投資ルールに基づいて、西暦2000年の始まりから約20年間ニューヨークダウに投資を行った結果です。
1000ドルから始まった資産が投資によってどのように変動したかを表しています。
一つ目の投資結果では、資産が約3000ドル(3倍)になっているので投資リターンは約200%ということになります。
これは、中々グッドな感じですね。
二つ目の結果は芳しくありません。
20年間も投資してむしろ資産が1割以上減ってしまいました。
ちなみにこの期間のNYダウは約2倍になっています。
スタート時点で一括投資してずっと放置しておくだけでも2倍にはなっていたということです。
こうして考えると一つ目の投資法はかなり素晴らしく、二つ目の投資手法はクズに思えます。
実は2つの投資手法とも単なる運ゲー
優劣がついたように思えた、二つの投資手法ですが実はやっていたことは同じです。二つとも全く同じプログラムから生成されたランダムシュミレーションなのです。
毎日50%の確率で、キャッシュポジションをすべて株に変換したり、その逆を行っていたりしただけです(空売り等はなし)。
両方共、猿のダーツ投げみたいなものです。
なぜここまで結果が違うのか
全く同じランダムシミュレーションなのに、これだけ結果が違うことに驚いた人もいるでしょう。しかも、今回は20年間という長期にわたってシミュレーションしています。
直感的にはどちらも最終的に同じようなパフォーマンスに収束しそうなものです。
しかし現実には、そうなりません。
「たまたま儲かった」が連続することで複利の力が働き、大きく資産が伸びることがあるのです。
・相場が大きく伸びる時にポジションをたまたま持っているかどうか
・リーマンショックやコロナショックの下落時にポジションをどれだけ離しているか
といった要素によって最終的な投資パフォーマンスは大きくブレます。・リーマンショックやコロナショックの下落時にポジションをどれだけ離しているか
ちなみに全く同じシミュレーションを1万回行ってみたところ 最終的な資産額の平均値は1578ドル 標準偏差は702ドル でした。
株は結構運ゲーだった
このことから分かるとおり、長期投資であっても運によって大きく左右されうるのです。投資でボロ儲けした人は、パフォーマンス結果をTwitterにあげればヒーローになれます。
しかし、それがその人の力量なのか単なる運なのかは、周りの人には基本的にわからないということです。
これは逆も同じことです。
なんか最近自分の取引が裏目ばっかりだなぁ
と思っても、単に運が悪いだけという可能性は十分にあります。
しっかりした理論に基づいて投資してるなら、やはり株価の上下にはそんなに一喜一憂しない方がいいですね。
運だけでこれだけ大きく利益がブレるわけですから。
運だらけの相場で僕がやっていること
ちなみに僕の話をすると、株は基本的にに長期でずーっと持っています。ほとんど売却することはありません。
これは絶対に運が絡まない
・税金
・取引手数料
という部分をとにかく安く抑えることにこだわっているからです。・取引手数料
株式投資のシミュレーションに興味がある人は
最後に余談ですか、こういった投資シミュレーションに興味がある人は、Pythonを学んでおくと吉です。今回のシュミレーションレベルだと、頑張ればエクセルでもできなくはないです。
しかし、もっと時間を節約する方法があります。
Pythonのpandasというツールを使えばネットからのデータ取得も数行のコードで可能です。
numpyという神ライブラリを使えば統計量の算出も一行二行で出来ます。
Pythonでの金融データ解析に興味がある人は、下記書籍がおすすめです。
これをマスターすれば、プロのクオンツに近いことも普通にできるようになるので、有志はぜひぜひ。
コメントを残す