時々、友人に投資に関する相談を持ちかけられることがあります その内容の大半は、
というものです。
最近特に学生の友人からの相談が多いです。
日本の若い世代にもようやく投資への関心が芽生えてきたか……。
なんて思ったりしています。
そういえば少し前、老後資金には2000万円必要だという政府の試算が話題になりましたね。
そんな状況のなかで、若者ほど危機感をいだいているのかもしれません。
俺本当に2000万も貯められるのか、と。
目次
簡単な自己紹介
まずはじめに僕自身のことを簡単に紹介しておきます。僕は東大を卒業後、主に資産運用の収益で生計を立てている25歳です。
名前はきむ公と申します。
「投資で生きている」というと、いかにも胡散臭いと思われそうですね。
確かに、一般的なサラリーマンに比べると収入が安定してませんw
それでも、
- 長期的な視野を持つ
- 投資する対象を調べつくす
現在は純資産5000万円を突破しています。
一言でいうと、三度の飯よりも投資が好きな人間です笑
余談ですが証券外務員(1種)も持ってます。
と、僕のことはこの辺にしておいて、そろそろ投資信託の解説に入りましょう。
初心者にお勧めできるのは投資信託
僕は投資ビギナーにはまず投資信託から始めることをオススメしています。勿論、投資に絶対はありません。
ビギナーだから投資信託以外では勝てないということもなければ、投資信託をやれば絶対儲かるというわけでもありません。
にも関わらず、僕は投資ビギナーには投資信託を勧めています。
今回は、
・そもそも投資信託とは何なのか
・なぜ投資初心者にもオススメできるのか
・なぜ投資初心者にもオススメできるのか
について詳しく解説していきます。
そもそも投資信託とは
さて、まずは投資信託(投信)とは何でしょうか。昨今は銀行でもガンガン投資信託を勧めてきます。
普通の株と投資信託の違いすら分からないのに、
営業マンに言われるがまま投資信託を買ってしまったといった人が大勢いるのが現状です。 投資において最大のリスクは 「知らないこと」 です。
なのでまずは、投資信託の仕組みをしっかり理解しましょう。
ポイント
投資信託とは、 株(や債権、不動産等)のセット販売品 のようなものまず、株をセットにすることで投資家にどんなメリットがあるのか具体的に考えてみましょう。
今、A社、B社、C社という3つの会社の株が取引されているとします。
どの会社の株もとても魅力的です。
あなたはこれら全部の株を買いたいと考えました。
さっそく証券口座から買い付けの申し込みをしようとしました。
ここであなたは一つの問題に行き当たります。
A,B,C社すべての株を買うには、最低でも90万円必要だというのです。
日本株の場合、最低30万円くらい用意しないと買えない株というのは多くあります。どの会社の株もとても魅力的です。
あなたはこれら全部の株を買いたいと考えました。
さっそく証券口座から買い付けの申し込みをしようとしました。
ここであなたは一つの問題に行き当たります。
A,B,C社すべての株を買うには、最低でも90万円必要だというのです。
安い銘柄だと2万円もあれば購入できますが、中には200万円以上必要になる株もあります。
もしA〜C社の株購入にそれぞれ最低30万円必要なら、このすべてに投資するためには最低90万円も必要だということになってしまうのです。
今の例では3社としていましたからまだいい方です。
場合によっては10社や20社、もしくは100社以上の株が欲しいこともあるかもしれません。
こういう場合には、全銘柄を買い集めるのに数千万円かかってしまいます。 さらに、各銘柄感の購入金額比率を調整しようとするともっと大変になります。
例えばA,B,C社の株購入に必要な最低金額を次のように仮定してみましょう。
A社 | 20万円 |
B社 | 80万円 |
C社 | 60万円 |
Aを12セット、Bを3セット、Cを4セット買えばそれぞれの銘柄の購入金額は240万円ですね。
これで均等です。
しかし、これだと一層大きなお金が必要になる上、色々と計算するのも面倒です。 そこで頭のいい人は閃きました。
色々な投資家からお金を集めて、まとめて運用してしまえばいいのです。
各投資家はとてもラクになるということに気付いたのです。 先程の例で説明します。
まずA,B,Cの株を均等の金額ずつ買いたい投資家を720人集めてきます。
そして投資家720人に一人1万円ずつ出してもらって、合計720万円にします。
その金でA,B,Cの株を均等の金額ずつ買います。
この状況で一年後株価が上がり、全体の資産が倍の1440万円になっていたとします。
こうなれば、初めの720人の投資家に2万円ずつ返すことができますね。
かなり単純化していますが、これが投資信託のエッセンスです。そして投資家720人に一人1万円ずつ出してもらって、合計720万円にします。
その金でA,B,Cの株を均等の金額ずつ買います。
この状況で一年後株価が上がり、全体の資産が倍の1440万円になっていたとします。
こうなれば、初めの720人の投資家に2万円ずつ返すことができますね。
こうすれば、各投資家は
- 非常に少ない金額で投資を始められる
- 運用を他人に任せて自分は他のことをしていられる
しかも、
素人の自分で銘柄を判断して投資するより、その道のプロにお金を渡して運用してもらったほうが安心だ
という人も多いことでしょう。
そういう人にとっては、銘柄の売買の細かい調整をプロに任せられるのは大きなメリットです。 ここまでの話をまとめると次のようになります。 投資信託(投信)とは、
①色々な投資家から資金を集め
②集めたお金をプロが運用し
③儲かったら投資家に返す(逆に損失がでたら出資した投資家で公平に負担する)
という仕組みであるということです。②集めたお金をプロが運用し
③儲かったら投資家に返す(逆に損失がでたら出資した投資家で公平に負担する)
投資信託の種類
投信の概要が分かったところで、具体的に投資信託にはどういうものがあるのか見ていきましょう。まず初心者が最初に理解すべきことがあります。
それは、投資信託にはインデックスファンド(パッシブ型投資信託)とアクティブファンドがあるということです。
まずここを押さえましょう。
ポイント
投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドの2種類があるインデックスファンド(パッシブ型投資信託)
インデックスファンドとは、特定の指数と同じような値動きをすることを目指した投資信託のことです。こう書くと難しそうですね。
でも具体的に考えれば簡単です。 例えばニュースで「日経平均」という言葉をよく聞くと思います。
これは日本を代表するような企業(トヨタ、みずほFG、東京海上HD、三井不動産などの超有名企業群です)225個の株価の平均です。 2019年11月現在だと23,112円ですね。 今、この日系平均の計算に使われている225個の企業の株を集めて投資信託を作ったとします。
この投資信託を買うことで、投資家は225個の株に少しずつ投資することになります。
その投資信託がもし儲かったとしたら、同時に日経平均も上がっているはずですね。
その投資信託の中の株の平均価格を僕らは日経平均と呼んでいるのですから。 このように、特定の指数(今回で言えば日経平均)と同じような値動きをする投資信託を作ることができます。
何らかの指数と同じような価格推移をすることを目指して作られた投信を、インデックスファンドといいます。 インデックスファンドは、機械的に銘柄を選んで投資信託に組み入れていけばいいことになります。
すると、ファンドを管理する側もそんなに手間がかからないだろうと想像できます。
実際その通りです。
インデックスファンドはマネージングコストが低い分、投資家がファンドの運用者に支払う手数料も低いのが一般的です。
アクティブファンド
さて、インデックスファンドの説明を読んだ人の中には、 日経平均と同じ値動きを目指すだけっていうのはあまり儲からなさそう……。
せっかくプロに財産の運用を任せるんだから、もっとプロが選んだオールスターみたいな投資信託を作ればいいのに。
せっかくプロに財産の運用を任せるんだから、もっとプロが選んだオールスターみたいな投資信託を作ればいいのに。
実際そういう投資信託も存在しています。
アクティブファンドと呼ばれる投資信託です。 特定のベンチマーク(例えば日経平均など)よりも大きなリターンを上げることを目標にした投資信託ですね。 プロが独自の知識や経験を活かして運用してくれるのだから、ある意味夢がある投資信託ですよね。
実際、アクティブ型の投資信託からは花形というか、巷で話題になるファンドも誕生しています。
少し前はレオス・キャピタル・ワークスの「ひふみ投信」が大人気でしたし、
直近では日興アッセトマネジメントの「グローバル3倍3分法ファンド」(通称グロ3)が話題になってきています。
(2019/12/14日追記)
グローバル3倍3分法ファンド についての解説記事を書きましたので、
興味のある方はこちらからどうぞ。
アクティブファンドは大きなリターンを狙いにいく分、こういったスタープレイヤー的なファンドも生まれやすいのでしょう。グローバル3倍3分法ファンド についての解説記事を書きましたので、
興味のある方はこちらからどうぞ。
ただし、
プロが運用する=儲かる
とは限らないのでくれぐれも注意してください。
ETFについて
投信に関連してもう一つ知っておかなければいけない概念がETFです。ETFとは Exchange Traded Funds の略です。
このETFは投資信託のうち上場しているものを指します。
ETFの最大の特徴は、投資家間で自由に売買できることです。
通常の投資信託とは違い、
- 買ってくれる投資家がいればいつでも売却できる(通常の投信の場合、売買申し込みから成立まで1日タイムラグがある)
- 信託報酬(ファンドの運営者に払う手数料)が低いものが多い
- 売買時に払う金額が調整しにくい(通常の投資信託なら、その時の基準価額に関わらず自分で決めた金額だけ買うことが可能ですが、ETFだとできません)
投資信託のリスク
投資信託にはリスクがあります。これはインデックスファンド(パッシブ型投信)、アクティブ型投信に共通です。
投資信託を買うと、元本割れすることも普通にあります。
次は、投資信託について回るリスクにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
価額変動リスク
最たるリスクは基準価額(=投資信託自体の価値)が変動することです。例えば一口50000円で購入した投信が一年後に一口45000円に変動していたら投資家は損を被ることになります。
価額変動の要因は様々です。
ここでは基準価額変動を引き起こしうるリスクを下に列挙しておきます。
ファンドに組み入れられる有価証券の価格変動
例えば、株をたくさん組み入れている投資信託があったとします。組み入れられた株の株価が下落すると必然的にその投資信託の基準価額も下落することになります。 債券に関する投資信託でも同様です。債券価格が下落すると、投資信託の価値も毀損します。
為替変動
例えばドル建てのアメリカ株を投信に組み入れていた場合、為替変動によって投信の基準価額が変動します。これは外国の債券を組み入れていた場合も同様ですね。
金利変動
株や債券は金利によって価格が変動します。ということは、それらを組み入れている投信の価額も金利の影響を受けるということです。
ちなみに、金利が上昇すれば株も債券も価格が下落する傾向にあるので注意しましょう。
信用リスク
例えば、企業が倒産すると、その企業の社債を組み入れていた投信の価値が毀損します。これは企業だけでなく、国家のデフォルト等も含みます。
ちなみに国家のデフォルトというと滅多にないことのような気もしますが、実際にはちょくちょく起きています。
2012年にギリシャが財政破綻したのは記憶に新しいですね。
2012年にギリシャが財政破綻したのは記憶に新しいですね。
カントリーリスク
例えば、ある企業が位置している国が戦争や内乱に巻き込まれたとします。これによって市場に混乱が起きた場合、関連する有価証券を取り入れている投信の価額は下落する場合があります。
分配金変動リスク
投信の中には分配金を出しているファンドもあります。分配金とは、株で言う配当金のようなものです。
その投信を持っていると、一定期間(毎月とか四半期ごと等)にお金を投資家に配ってくれるという仕組みです。 特に毎月分配型投信は 根強い人気を誇っています。
年金のような感覚だからかもしれません。 さてこの分配金ですが、定額を 永遠に受け取り続けられるものではありません。
ファンドのパフォーマンスが悪ければ、「分配金を減らします」ということもよくあります。
なので、そこはあらかじめ注意しておきましょう。
余談ですが、投信の中には10%を超えるようなやたらと高い分配金を謳っているものもあります。ですが、こういうものは注意が必要なものも多いです。
本当にファンドが上げたリターンからその分配金が払われているのかは、よくチェックしておいてください。
実際は資産の売却や積立金の取り崩しを分配金に回しているだけ場合もあります。(いわゆるタコ足配当ですねw) タコ足配当のファンドは、高い分配金を将来的に維持できなくなる可能性が高いということは認識しておくべきでしょう。
本当にファンドが上げたリターンからその分配金が払われているのかは、よくチェックしておいてください。
実際は資産の売却や積立金の取り崩しを分配金に回しているだけ場合もあります。(いわゆるタコ足配当ですねw) タコ足配当のファンドは、高い分配金を将来的に維持できなくなる可能性が高いということは認識しておくべきでしょう。
投資信託のコスト
投信を買う時は、先述したリスクの他にも気をつけるべき点があります。それは手数料です。
投信に限らず、投資では不必要な手数料や税金をとにかく払わないようにすることが重要になってきます。
もちろん払うべき税金を払わないのは犯罪ですがw 投信購入において、どういう手数料がかかるのかを理解することが大切です。
信託報酬(運用報酬)
信託報酬は、ファンドを運営してくれている会社に払うコストです。先述したように、アクティブ型の投資信託よりもインデックスファンドの方が 信託報酬が安い傾向にあります。
この信託報酬ですが、毎日静かに信託財産から差し引かれます。
なので、払っている実感が湧きにくいという特徴があるので注意してください。
もちろん投資家目線に立つと、信託報酬は低ければ低いほど良いです。
ちなみに僕個人は、信託報酬が1%を超える投資信託は基本的に買うことはありません。
販売手数料
販売手数料は、投信を運営する会社ではなく、投信を販売する会社に払う手数料です。不動産で例えると、家賃は物件の所有者である大家さんに払いますが、
物件を借りる時は仲介した不動産屋にも手数料を払いますよね。
あれに相当します。
実はこの販売手数料、投信を販売する会社が自由に設定できます(2019年11月時点)。 なので、全く同じ投資信託でも、買う場所によって払う金額が異なる可能性があります。
もちろん全く同じものを買うので、一番安いところで買いましょう。 おススメは、ネット証券を使うことです。
銘柄にもよりますが、ネット証券は営業マンの人件費等のコストが乗らない分、販売手数料が安いことが多いです。
個人的な意見としては、まずはネット証券で買う(=対面販売の証券会社や、銀行・郵便局で投信を買わない)ことが販売手数料を低く押さえる為の現時点(2019年末時点)での正解だと思っています。 ちなみに、僕自身は販売手数料無料(=ノーロード)の投信以外は買わないことを徹底しています。
繰り返しになりますが、手数料をできる限り抑えることは投資の基本中の基本です。
税金
投資信託を買った結果、めでたく利益が出たら税金を収めなければなりません。こればかりはどうしようもないものです。
ただ税金もNISAや積立NISAなどの制度を上手に活用することで対策可能です。
これらの制度については今後解説を行っていきたいと思います。
その他の費用
投資信託の種類や、解約時の状況によっては信託財産留保額を支払う必要が生じます。こちらは解約代金から差し引かれる形で、運営会社が受け取るのではなく、信託財産にプールされます。
また、投資信託自体を公認会計士が監査する際に生じる、監査報酬も日々信託報酬と一緒に信託財産から差し引かれます。
初心者にはインデックスファンドがおススメ
さて、ここまで投資信託に関する解説を行ってきました。投資初心者の方にも、投信の概要がつかめてきたと思います。 投資信託にはアクティブ型投資信託とインデックスファンドがると紹介しました。
僕のおすすめはインデックスファンドです。
特に初心者にはこちらをオススメしています。
その理由については今後詳しい解説記事を上げる予定ですが、先にネタバラシをしておくと、アクティブファンドのパフォーマンスは、インデックスファンドに勝てない場合が多いからです。
特に、アクティブファンドの手数料の高さを考慮するとこの傾向はより顕著になります。 投資のプロが集まって運用するファンドが、ただ指数と同じように値動きするだけのファンドに勝てない
というのはかなり意外な感じがしますよね。 ちなみに、これに関してはかなり研究の蓄積があります。 詳しい背景は、投資本の金字塔である『ウォール街のランダムウォーカー』を読めばよく理解できます。
「投資のプロ集団が猿に負ける」という衝撃的な内容です。
他にも、『敗者のゲーム』もインデックスファンドの優位性がよくわかる本として有名ですね。
ちなみに、古典的なファイナンスでは、解釈によっては
投資家はインデックスファンドのみを所有するべきなのではないか?
という解釈につながり得る理論もあります。
そういった内容を、数学や統計学的なことも含めて理解したい場合は、『ファイナンス理論入門』がオススメです。
(大学で使う教科書ですが、僕はこれが一番役に立ちました。数学や統計学の知識が多少要求されるのでそういうのが好きな人向け) 興味がある人はこれらの本でも勉強してみると理解がより深まります。
最後に、ここまでの内容をまとめておきます。
まとめ
投資信託のまとめ
- 投資信託とは、たくさんの株や債券等をセットにした金融商品である。
- 投資信託には指数に連動するインデックスファンドと指数以上のリターンを目指すアクティブファンドがある
- 投資信託には、基準価額や分配金の変動というリスクがある
- 投信に関する代表的な手数料には、信託報酬と販売手数料があり、これらを極力安く済ませることが重要
投資信託に関連して、個別株についてももっとよく知りたいという方はこちらの記事もおすすめです。
だいぶ長くなりましたね。ではまた次回お会いしましょう。
けど、経験がないから何から始めればいいのかわからない。