(2020/1/15追記)
ひふみワールド+の解説動画上げたので、文字読むのが面倒な方はこちらをどうぞ。 ひふみワールド+という投資信託が2019年12月13日から購入解禁されました。
大人気だったひふみ+と同じく、藤野英人氏率いるレオス・キャピタルワークスのファンドです。
今、投資家の注目が集まっている投信ですね。 ひふみワールド+は、今までレオス・キャピタルワークスから直販で購入するしかなかったひふみワールドを各証券会社から購入できるようにしたものです。
そのため、ひふみワールドと購入方法が違うだけで、内容は同じです。両方共、ひふみワールドマザーファンドを通じて世界の株式に投資します。
図にするとこんな感じです。 多くの投資家にとって、証券会社から購入できることのメリットは大きいと言えるでしょう。この投信を買うためだけにレオスに口座を開設するのも面倒くさいですしね。 さて、今回の記事では購入しやすくなったひふみワールド+について徹底解説していきます。
目次
ひふみワールド+とは?
ひふみワールド+の特徴は以下の3つです。ひふみワールド+の特徴
- 世界の成長企業に投資する(日本株には投資しない)
- 守りながらふやす運用(値動きのバラツキを極力抑える)
- 顔が見える運用(運用に関わる人の情報を開示する)
そして、気になる手数料は以下のようになっています。
信託報酬 | 純資産総額5000億円まで 年1.48%(税抜き) |
純資産総額5000億円を超える部分 年1.38%(税抜き) | |
純資産総額一兆円を超える部分 年1.23%(税抜き) | |
購入手数料 | 販売会社が自由に決定(上限3.00%) |
信託財産留保額 | なし |
監査費用 | 年0.005%(税抜き) |
レオス・キャピタルワークスは、実際に現地で調査をして投資先を決める「足で稼ぐ」投資で知られています。
やはり海外の投資先の調査は、日本株の調査よりも費用がかかってしまうのでしょう。
そのコスト分が信託報酬に乗ってしまっているようです。
ひふみワールド+の基準価額は?
ひふみワールド+は、2019年12月13日に解禁されたばかりのファンドであるため、12月15日現在はまだ運用成績と呼べるものは存在しません。
そこで、購入方法以外は同じ内容のひふみワールドの運用成績を参考にしてみましょう。
(参考)https://www.rheos.jp/world/world-full-report20191129_H87.pdf
運用成績(10月31日時点) | |
ひふみワールド | +3.8% |
MSCI ACWI ex JAPAN | +4.2% |
*MSCI ACWI ex JAPAN……日本を除く世界の株式を対象に算出される指数
ということで、今までのところひふみワールド+はインデックスに敗北しています。とはいえ、まだ一ヶ月間での成績にすぎないのでこれはあまり気にする必要はないかな、というのが個人的な考えです。
ひふみワールド+はどんな銘柄に投資している?
さて、重要なのがひふみワールド+は一体どんな銘柄に投資しているのか?
という点です。
レオス・キャピタルワークスの運用担当者が「足を使って発見した投資先」とは一体どういう企業なのでしょうか。
具体的なデータが以下です(2019年11月の月次報告書から引用)。 さらに、資産配分比率状況等は以下のようになっています。
資産種別内訳 | |
海外株式 | 80% |
投資証券(REITなど) | 1.0% |
預金等、その他 | 19% |
国別比率 | |
アメリカ | 47.3% |
中国 | 7.6% |
フランス | 6.1% |
イギリス | 5.0% |
香港 | 2.7% |
その他 | 12.3% |
預金等 | 19.0% |
業種別比率 | |
ソフトウェア・サービス | 11.1% |
消費者サービス | 9.8% |
資本財 | 9.4% |
各種金融 | 7.3% |
メディア・娯楽 | 6.5% |
その他 | 36.8% |
預金等 | 19% |
Generac HoldingsやSnap-On などは正直聞いたことも無かったです。
しかし、調べてみるとこれらの企業はスタートアップ系新興企業ではなく、
どちらかというと老舗大企業であることがわかります。
実際Generac HoldingsもSnap-Onも共に創業は半世紀以上前で、現在はニューヨーク証券取引所に上場もしています。
これらの事実から、ひふみワールド+が守りながら増やす運用(堅実・着実な投資)を目指しているのが伝わりますね。 また、セクター別ではITが最も多いです。
時流を見るに伸びているIT銘柄に投資するのは合理的かな、というのが個人的な意見です。
ファンドマネージャーの湯浅光裕氏の言葉
最後にひふみワールドのファンドマネージャーである湯浅氏の言葉を見てみましょう。これはレオス・キャピタルワークスの公式ホームページに掲載されているものです。
以前取材した米国の自動車チェーンのお話をしますと、(中略)工具を並べたトレーラーの中に入ってみてビックリです。 ホームセンターに行けば数万円で売っているような工具ケースに百万円くらいの値札がついている。(中略)すごい利益率ですよ。とにかくブランド力が強くて、米国の修理工場の従業員は、いつかはここの工具を持ちたいとお金を貯めているのです。(中略)こういう事実って、現地に足を運ばないと分からない。これはSnap Onの話なのでしょうか。
同社は高級な工具の販売元として知られていますが、それほどのブランド力があるとは僕も知りませんでした(というかさっきまでSnap-On社の名前も知りませんでした)。
実際に足を運ぶことで、色々な発見があるものなんですね。
一般の投資家だと、実際に企業視察に出向くことはほとんど無いと思います。
なかなか勉強になりますね。
まとめと感想
さて、このひふみワールド+ですが……僕個人としては、良い点も悪い点もあるな、といった感想です。
良い点
・一般人には入手困難な情報を投資に活用してくれる(現地視察の結果得られた情報など)・投資先に大型企業が多く、純資産総額が増えても安心できる(少なくとも日本の中・小型株投資中心だったひふみ+よりは純資産総額増加に強いと見られます)
悪い点
・信託報酬がひふみ+より割高になっているちなみに僕自身はというと、自分では買うつもりはありません。
- 信託報酬がやや高い
- 自分がよく知らない企業が組み込まれすぎている
とはいえ、信託報酬もメチャクチャ高いという訳ではないですし、レオスの運用チームがとんでもないお宝銘柄を発掘してくるかもしれません。
はたしてこのファンドは、一時のひふみ投信のように大きなリターンをもたらしてくれのでしょうか。
今後のひふみワールド+に注目です。 なお、同じく人気の投信「グロ3」について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
コメントを残す