・Python などのプログラミング言語で自由に株や FX の自動売買アルゴリズムを実装したい
おそらく、こういう思いを持った方がこのページに辿り着かれたのではないかと思います。・MT4などの既存のツールでは物足りない
自分が寝ている間や会社に行ってる間も自動売買 bot がどんどん利益を積み重ねてくれる……
僕もかつてはそういう状況を夢見た一人でした。
しかし結論から言うと、現在の日本の環境では株も FX も独自プログラムによる自動売買システムを設計するのは難しいです。
今回はその理由と、代替案として仮想通貨の自動売買なら比較的簡単に実装できるということをお話しします。
目次
株式の自動売買をやるのが難しい理由
冒頭でも言ったように株の自動売買を実装するのは難しいです。これは実際に儲かるアルゴリズムを考え出すのが難しいとかそういう話ではありません。
それ以前に、プログラムから売買の注文を出すのが現状難しいのです。
というのも、 自作プログラムから取引の注文を出すためには証券会社が REST API を公開している必要があります。
しかしこの記事執筆時点で、個人向けにそのような API を公開しているメジャー証券会社はありません。
厳密に言うと au カブコム証券の API は個人でも利用することができるのですが、これには問題があります。
API を利用するためにはFintechプランもしくはPremiumプランに加入していなければいけないのです。
これにより月額料金が発生してしまうか、証券会社が提示するめんどくさい条件をクリアしなければいけません。
ネット上では苦肉の策としてプログラムから価格データを取得し、アルゴリズムで売り買いを判断した後手動で注文を出すという方法をとっている人もいるようです。
しかし個人的にはこれを自動売買と呼んでいいのかはかなり疑問です。
FXも自動売買はハードルが高め
株よりはまだマシですがFXも状況は似ています。こちらもPythonなどのプログラムから売買注文を行うためには REST API が公開されている必要があります。
REST APIを公開しているのはOANDAくらいのもの
現状の日本で実用的な REST API を公開している FX 業者と言うとOANDA JAPANくらいのものです。しかしこちらも無条件で使いまくれるということはありません。
2021年時点で口座残高が25万円以上ないとAPIの使用が不可能となっています。
また、仕様書が英語なのも結構不便です。
以上の状況から株にせよ FX にせよ MT4以上より上のレベルで自動売買を動かすのは難しい状況と言えます。
【代替案】仮想通貨の自動売買で妥協する
自動売買を試してみたいだけで、対象の資産クラスは何でも良いという方は仮想通貨に目を向ければ OK です。仮想通貨の取引所はREST APIを公開しているところが多く、使用時の面倒臭い条件もないのでオススメです。
僕が今まで確認した取引所は全て無料でAPIが使えました。
仮想通貨の自動売買のやりやすさは相当なもので、また口座開設も何もしていない初心者であっても今から1時間以内に API キーの発行まで済ませることができます。
さらに、同時にテストコードを動かし始めることも可能です。
参考までに、下の記事で API キーの発行方法と自動売買コードの具体例を解説しています。
ボラティリティが大きいので自動売買には向いてる(かも)
考えようによっては、仮想通貨が最も自動売買に向いた資産クラスかもしれません。株や普通の通貨よりもボラティリティが大きい傾向にありますからね。
特に、スキャルピングのような短期でコツコツと利益を積み重ねていくロジックと相性が良さそうです。
ただし他の資産クラスと同様、何回も取引する場合は手数料負けしないように気をつける必要があります。
まとめ
最後にまとめです。現状では株や FX で自動売買を自由に動かすのは難しいです。
取引所がAPI を公開していなかったり、公開していても利用に制限があったりすることが理由ですね。
代替案は仮想通貨を使うことです。
仮想通貨の取引所は全体的に使いやすい API を公開しているところが多いです。
また各プログラミング言語向けに API のラッパーが公式・非公式で公開されていることも多く、開発の手間が省けます。
参考までに、 API が使いやすい仮想通貨取引所をまとめておいたので興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
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