2期連続減益で良品計画(無印良品)株はやばい?決算をまとめてみた

先日、良品計画(無印良品)の決算が発表されました。

2020年2月期はコロナショックによる影響があまり含まれていないこともあり、結果は従来予想とあまり変わらないものでした。
株価の反応もほとんどありません。

この記事では実際に良品計画の株を保有する僕が、決算の内容を分かりやすくまとめました。
なお、一部に僕の主観や考えが含まれていることには注意してください。

データの出典は公式決算情報です。

良品計画の決算でよかった点

まず今回の決算でのポジティブポイントをまとめていきます。

17期連続増収

なんといっても売上増加を達成している点は評価できます。
特に、増税や東アジアの政情不安なので顧客の購買力自体は下がっていてもおかしくない中での増収はさすがです。
営業収益の成長率はほぼ予想通りの前期比107.1%となりました。

食品カテゴリーが強い

最近の良品計画の強みは食品カテゴリの強さにあると言えます。
冷凍食品や低糖質シリーズが新たに販売開始しましたが、これも食品カテゴリの強さを受けてのことです。

19年度の第4クォーターには売上前期比126.5%を達成しています。
順調な伸びですね。

コストカットが進んでいる

ここのところ良品計画の課題としてよく挙げられるのが利益率の改善です。
今回の決算ではそのための努力も垣間見ることができました。

代表的なのは店舗人員の適正化ですね。
一人当たりの売上や店舗面積が多少の波はあれど増加傾向にあるということです。
一方で、物流コストの削減についてはついては、努力はしたもののやや過剰な在庫を抱えるほど仕入れを行ってしまった関係で劇的な効果は見られなかったということです。

MUJI passport などIT活用が進んでいる

MUJI passport の利用者数が順調に増えていることもプラスポイントです。
MUJI passport とは良品計画の専用のアプリです。
このダウンロード数が前期比で138%と大きく進捗しています。

その他のIT活用として、中国で EC サイトを積極的に活用するなどの努力が実り年度後半には売上が大幅に増加しました。

中国店舗が再開された

中国はコロナウイルスが発生した国ですが、収束も今のところをかなり速いペースで進んでいます。

一時は中国の店舗は半数が閉鎖された無印良品ですが、現在では中国店舗は再開されています。
一方で、後述するように国内やその他諸外国の再開は遅れています。

配当は維持

減益にはなりましたが配当は維持されました。
半期の配当が一株当たり18.2円ということでこの記事執筆時点(2020年4月14日)の株価が1068円なので3.4%程度の配当利回りを期待することが出来ます。

良品計画の決算で悪かった点

一方で、今回の決算から良品計画の問題点も浮き彫りになりました。

2期連続の利益減

なんといっても2期連続の減益になってしまったことは残念です。
日本では消費税が増税され、コロナショックの影響もあるのだから仕方ないじゃないかという意見もあるかもしれん。

しかし競合としてよく比較されるニトリは、今期も増収増益ですし、驚くべきことに来季も増収増益予想を出してきています。
ニトリは日本企業の中でも抜群に優秀な会社ですが、良品計画もポテンシャルでは負けてないはずです。
今後も良品計画の利益率については注意深く観察していきましょう。

ちなみに今回指摘された減益要因は特に目新しいものはありません。
物流コストや新規出店費用システム開発費がかさんだ他、1100品目にも及ぶ値下げが利益を圧迫してしまったということです。

確かに無印良品は最近めちゃくちゃセールやっているなという印象しかありません笑

欧米の赤字体質が継続

欧米では業績があまり冴えないことも注意が必要です。
スイスなどのヨーロッパでは新規出店に伴って開店費用がかさみました。

これは今後につながる費用なのでまあ良しとしても、一方のアメリカでは既存店も苦戦して目標に達成できなかったということです。
とはいえアメリカ赤字幅は縮小しています。

コロナショックが約半数の店舗に影響

先ほど中国の店舗が復活したという話がありましたが、その他の国ではまだまだコロナによって店舗が影響を受けています。

2020年3月時点で国内外を含めて約半分のテンポが時短営業になったり閉鎖されたりしているということです。
もちろんこの正常化の時期はコロナウイルス次第なので現状正確に予測することはできません。

無印良品の今後の経営方針

さて最後に良品計画の今後の経営方針を見ていきましょう。

在庫調整

まずネックになっていた在庫の調整ですがこれはそこまで深刻視していないようです。
というのも良品計画の分析では、適正な在庫量を超えて抱え込んでいる部分はだいたい200億円部分にすぎず、これは仕入れを通じて自然に調整が可能とのことです。
それに加えてこの200億円のうちのシーズン商品は10億円程度にすぎず残りは持ち越しが可能であることもプラス材料です。

不要な値下げの取りやめ

また不要な値下げも取り止めるとのことです。
このところセールばかりしていた良品計画ですが、僕も一株主として今後は無闇な価格競争は控えてほしいところです。
そもそもブランドというのは、価格で勝負しなくてもお客を引きつけられるというところに価値があるわけです。
せっかく無印良品という強力なブランドを抱えているわけですから今後はより強気な値付けを行ってもいいのではないかと考えます。

その他コスト調整

その他の濃さ調整としては、 ECを含んだ物流体制の見直しや、店舗の賃料契約の見直しクレジット手数料の見直しなどがあげられていました。

経営陣も利益率に課題があるという点はしっかり認識していて、その改善に向けて合理的に必要と思われる施策を次々と打ち出してきているなという印象です。
株主としても好感が持てました。

元々、無印良品は経営陣が優秀なことでも知られる会社です。
現在はやや苦境に立たされていますが、すぐにかつての勢いを取り戻してくれるのではないかと個人的には考えています。
株もホールドします。

最後に宣伝ですが、良品計画の経営について興味がある方は↓の書籍を読んで見るのをお勧めします。

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株価下落で話題の良品計画(無印良品)株がおすすめな理由を解説する

2020年1月19日

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